外国でスリの手口は？

海外旅行は、心躍る冒険と素晴らしい体験に満ち溢れていますが、同時にスリという危険も潜んでいます。国内とは異なる文化や習慣、そして人込みの多さなど、スリにとって都合の良い環境が海外には数多く存在します。観光客は、警戒心が薄れている場合も多く、スリにとって格好の標的になりやすいのです。

では、海外で実際どのようなスリの手口が用いられているのでしょうか？ 単にポケットを掏るだけでなく、巧妙かつ多様な手口が用いられています。以下、いくつかの代表的な例を挙げ、その対策と共に解説します。

1. 混雑を巧みに利用したスリ:

冒頭にも触れたように、電車やバス、観光地などの人混みはスリの温床です。 特に、乗り降り時や混雑している車内では、周囲の視界が遮られ、スリが接触しても気づかれにくい状況を作り出せます。 彼らは、肩や肘で軽く押したり、故意にぶつかったりするなどして、被害者の注意をそらし、同時に貴重品を盗み取ります。 単独犯だけでなく、複数人で連携し、一方を盾にして他方が盗みを働くケースもあります。 また、ベビーカーや大きな荷物などを利用し、視界を遮蔽物として利用することもあります。

2. 巧妙な話術を用いたスリ（話術による詐欺）:

親切なふりをして近づいてきて、地図を見せたり、道を尋ねたり、あるいは何かを売ろうとする場合もあります。 その隙に、仲間が被害者の貴重品を盗むのです。 特に、英語が苦手な観光客は、親切な言葉に油断しがちです。 一見すると、無害な行為に見えますが、巧妙な策略です。 観光案内を装って、人気のない場所に誘導し、そこで強盗に発展するケースも報告されています。

3. 見せかけの事故を利用したスリ:

故意にぶつかったり、転んだり、物を落としたりするなど、一見すると事故に見せかけて、混乱に乗じてスリを行う手口です。 被害者は、相手への謝罪や状況把握に気を取られている間に、貴重品を盗まれてしまいます。 咄嗟の状況では、冷静な判断が難しいため、特に注意が必要です。

4. チームワークによるスリ:

複数人で連携して行うスリも増えています。 一人が注意を惹きつけ、もう一人が盗みを働くなど、分業体制をとることで、成功率を高めています。 この場合、犯人はプロ意識が高く、手際も非常に巧妙なため、気づきにくいことが多いです。

5. 注意散漫を狙うスリ:

スマートフォンを操作している時や、地図を見ている時など、注意が散漫になっている時を狙ってスリが行われます。 特に、夜間や人通りの少ない場所では、危険性が高まります。 周囲の状況を常に把握し、警戒心を怠らないことが重要です。

対策:

• 貴重品は常に身につけましょう。 バッグは体の前に抱え、ファスナーやボタンをしっかり閉めましょう。
• 人混みでは常に周囲に注意を払いましょう。 不審な人物や行動に気づいたら、すぐにその場を離れましょう。
• 親切な言葉や行動にも警戒しましょう。 必要以上に親切な人には近づかない方が安全です。
• スマートフォンや地図を見る際は、周囲の状況に注意しましょう。 人通りの少ない場所では、極力避けましょう。
• 旅行前に、スリ対策について情報収集をしましょう。 訪問先の治安状況や、よくあるスリの手口を事前に知っておくことで、対策を立てることができます。
• 高価なアクセサリーやブランド品は控えましょう。 目立つものは、スリにとって格好の標的になります。

海外旅行を楽しむためには、スリ対策は不可欠です。 常に警戒心を持ち、周囲の状況に注意を払いながら、安全で楽しい旅を送りましょう。 万が一、スリに遭ってしまった場合は、すぐに警察に通報し、適切な対応を行いましょう。