箱根登山鉄道は何パーミルですか?

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箱根登山鉄道は、日本の粘着式鉄道で最も急勾配な路線として知られ、その勾配は80パーミルに達します。これは、水平距離1000m進むごとに80m高低差があることを意味し、日本の鉄道の中でも類を見ない急勾配であると言えるでしょう。 比較として、JRの最急勾配は40パーミルです。

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箱根登山鉄道、脅威の80パーミル!知られざる急勾配の秘密に迫る

箱根の豊かな自然を縫うように走る箱根登山鉄道。その可愛らしい車両や四季折々の景色に目を奪われがちですが、実はこの鉄道、知られざる急勾配に挑み続けているのです。その勾配はなんと最大80パーミル。数字だけではピンとこないかもしれませんが、これは日本の粘着式鉄道における最急勾配記録を誇る、驚異的な数字なのです。

80パーミルとは、水平距離1000メートル進むごとに80メートルも標高が上がることを意味します。想像してみてください。1キロメートル歩く間に、ビルの25階相当の高さまで登っていくようなものです。いかに急な坂道であるかがお分かりいただけるでしょう。

では、なぜ箱根登山鉄道はこれほどまでに急勾配なのでしょうか?その理由は、箱根の地形にあります。箱根は火山活動によって形成された複雑な地形を持ち、急峻な山々が連なっています。箱根登山鉄道は、この険しい地形を克服するために、急勾配、急カーブ、スイッチバックといった特殊な技術を駆使する必要があったのです。

特にスイッチバックは、急勾配を登るための重要な技術です。列車は進行方向を変えながらジグザグに進むことで、勾配を緩やかにし、推進力を確保します。箱根登山鉄道には3箇所のスイッチバックがあり、列車が方向転換する様子は、鉄道ファンのみならず、多くの観光客を魅了しています。

さらに、箱根登山鉄道は急勾配を安全に走行するために、様々な工夫を凝らしています。例えば、粘着力を高めるための砂撒き装置や、ブレーキ性能を向上させるための特殊なブレーキシステムなどが採用されています。

しかし、80パーミルという急勾配は、車両や線路への負担も大きく、常にメンテナンスが必要となります。箱根登山鉄道の職員たちは、日々、線路の点検や車両の整備を行い、安全運行を支えているのです。

箱根登山鉄道は、単なる移動手段ではなく、自然と技術が融合した、まさに「生きた産業遺産」と言えるでしょう。今度、箱根登山鉄道に乗車する際には、車窓からの景色だけでなく、その脅威的な勾配にも注目してみてください。きっと、新たな発見があるはずです。そして、その裏で支える人々の努力に思いを馳せれば、旅の思い出はさらに深まることでしょう。