E-VisaとL-Visaの違いは何ですか？

EビザとLビザ：アメリカ就労ビザ、それぞれの適性と違いを徹底解説

アメリカで働くことを検討する際、多くの人が最初に直面するのがビザの壁です。数あるビザの中でも、特に混同しやすいのがEビザとLビザ。どちらも就労を目的とするものですが、その目的、申請資格、そして適用される状況は大きく異なります。この記事では、それぞれのビザの特徴を詳細に比較し、どちらがあなたの状況に適しているのかを見極める手助けをします。

Eビザ：貿易と投資を促進するビジネスビザ

Eビザは、日米間の通商航海条約に基づき、貿易活動や投資活動に従事する外国人に発給されるビザです。EビザにはE-1（貿易駐在員）とE-2（投資駐在員）の2種類があります。

• E-1ビザ (貿易駐在員)：日本とアメリカの間で相当規模の貿易活動を行っている企業の従業員が対象です。重要なのは、貿易活動が単発的なものではなく、継続的かつ実質的なものであることです。
• E-2ビザ (投資駐在員)：アメリカの企業に相当額の投資を行い、その事業を指揮・監督する立場の人が対象です。投資額には明確な基準はありませんが、事業規模に見合った金額である必要があります。

Eビザの大きな特徴は、企業そのものが適格性を有している必要があるという点です。つまり、個人が単独でEビザを申請することはできず、Eビザの資格を持つ企業に雇用されている必要があります。また、Eビザ保持者は、Eビザをサポートしている企業でのみ働くことができ、他の企業で働くことは原則として認められません。Eビザの有効期間は通常5年間で、条件を満たせば何度でも更新が可能です。

Lビザ：企業内転勤を円滑にするグローバルビザ

Lビザは、多国籍企業が従業員を海外支社からアメリカ本社、あるいはアメリカ支社へ異動させる際に利用されるビザです。LビザにはL-1A（管理者・経営者）とL-1B（特殊知識を有する従業員）の2種類があります。

• L-1Aビザ (管理者・経営者)：経営者、管理者、重役といった立場でアメリカに転勤する従業員が対象です。アメリカでの組織を管理・指揮する責任を負う必要があります。
• L-1Bビザ (特殊知識を有する従業員)：自社製品、サービス、技術、管理などに関する特殊な知識を持ち、それがアメリカでの業務遂行に不可欠な従業員が対象です。

Lビザの重要な点は、過去3年間のうち、継続して1年以上、海外の関連会社に勤務している必要があるという点です。つまり、新規採用された従業員がすぐにLビザでアメリカに赴任することはできません。Lビザ保持者は、Lビザをサポートしている企業でのみ働くことができ、他の企業で働くことは原則として認められません。L-1Aビザの有効期間は最長7年間、L-1Bビザの有効期間は最長5年間です。

EビザとLビザ：主な違いの比較

どちらのビザが自分に合っているか？

EビザとLビザのどちらがあなたの状況に適しているかは、いくつかの要素によって決まります。

• 現在、どのような企業に所属していますか？ Eビザの資格を持つ企業に所属している場合は、Eビザが選択肢となります。多国籍企業に所属しており、海外支社での勤務経験がある場合は、Lビザが選択肢となります。
• アメリカでどのような仕事をしたいですか？ Eビザは貿易・投資活動に関連する仕事、Lビザは管理者・経営者、あるいは特殊知識を活かせる仕事に適しています。
• アメリカでの滞在期間はどれくらいですか？ Eビザは更新が可能ですが、Lビザには滞在期間の制限があります。

最終的には、専門家である弁護士や移民コンサルタントに相談し、あなたの状況を詳しく説明した上で、最適なビザを選択することをおすすめします。ビザ申請は複雑なプロセスであり、専門家の助けを借りることで、スムーズに進めることができます。

この記事が、EビザとLビザの違いを理解し、アメリカでの就労への第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。