アメリカで911番通報は？

アメリカの911番：緊急通報の仕組みと知っておくべきこと

アメリカ合衆国における911番は、日本における110番（警察）と119番（消防・救急）を統合した、全国共通の緊急通報番号です。緊急事態が発生した場合、まず911番に電話をかけることで、必要なサービスに迅速にアクセスできる仕組みとなっています。しかし、911番の利用方法やその背景には、知っておくべき点がいくつか存在します。

911番の役割と仕組み:

911番にかけると、まず緊急通報オペレーター（911 dispatcher）につながります。オペレーターは、通報者に対して以下の情報を聞き取ります。

• 緊急事態の種類: 火災、救急、犯罪など、どのような緊急事態が発生しているのか。
• 場所: 発生場所の正確な住所。もし住所がわからない場合は、交差点や目印となる建物を伝える。
• 状況: 何が起こっているのか、負傷者の有無、犯人の特徴など、状況を詳しく説明する。

これらの情報に基づいて、オペレーターは適切な機関（警察、消防署、救急隊など）に連絡し、現場に派遣を手配します。多くの場合、オペレーターは緊急事態が収束するまで、通報者と電話をつなぎっぱなしにし、指示やアドバイスを送ります。

知っておくべき注意点:

• 正確な情報: 焦らず、落ち着いて、できる限り正確な情報を伝えることが重要です。特に場所の情報は、救助隊の到着を遅らせないために非常に重要です。
• 英語での対応: アメリカ国内では、基本的に英語での対応となります。もし英語でのコミュニケーションが難しい場合は、オペレーターにその旨を伝えれば、通訳サービスを利用できる場合があります。
• いたずら電話の禁止: 911番へのいたずら電話は、重大な犯罪であり、法律で厳しく処罰されます。緊急事態に対応する必要がある場合に、回線を占有してしまうため、絶対にやめましょう。
• 緊急でない場合は利用しない: 緊急性の低い相談や問い合わせは、911番ではなく、各機関の問い合わせ窓口を利用しましょう。例えば、騒音問題であれば警察署の生活安全課、水道管の故障であれば水道局など、適切な窓口に連絡することで、911番の負担を減らすことができます。
• 聴覚や発話に困難のある方のためのTTY/TDD: 聴覚や発話に困難のある方は、TTY/TDDと呼ばれる専用の機器を使って911番に通報することができます。地域によっては、テキストメッセージによる通報に対応している場合もあります。

911番の歴史と背景:

911番は、1968年にAT&Tが緊急通報用の番号として設定したのが始まりです。その後、1970年代から全国的に普及し、現在ではアメリカ合衆国における緊急通報の標準となっています。911番の普及は、緊急事態発生時の対応を迅速化し、多くの人命を救うことに貢献してきました。

まとめ:

アメリカにおける911番は、緊急事態発生時に命を守るための重要なシステムです。その仕組みを理解し、適切な利用方法を知っておくことで、いざという時に迅速かつ的確な行動をとることができます。アメリカに滞在する際には、ぜひ911番について理解を深めておきましょう。