プーさんの著作権はいつ切れますか?

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A.A.ミルンの児童小説『クマのプーさん』は、発表から一定期間を経て著作権保護期間が満了し、2017年にパブリックドメインとなりました。これにより、原作の物語やキャラクターを自由に利用できるようになりました。

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プーさんの著作権はいつ切れますか?という質問は、一見単純に見えますが、実は非常に複雑な問題を含んでいます。 「プーさん」というブランド、そしてその背後にあるA.A.ミルンの著作物、特に『クマのプーさん』の著作権の満了は、単純に「2017年」と片付けることができません。なぜなら、著作権の保護期間は、作品の種類、国、そして作品に含まれる要素によって異なるからです。

まず、明確にすべきは、A.A.ミルンが著した原典である『クマのプーさん』と、そのキャラクター(プーさん、ピグレット、イーヨーなど)を商業的に利用する権利は、完全に切り離して考える必要があるということです。 しばしば混同されますが、原典の著作権とキャラクターの商標権は別物なのです。

A.A.ミルンの原典『クマのプーさん』を含む多くの作品は、著者の死後一定期間で著作権が消滅します。 しかし、これは国によって異なり、統一された国際的なルールはありません。アメリカ合衆国では、著者の死後70年間、イギリスでは著者の死後70年間とされています。(正確な日付は、作品ごとに微妙に異なる可能性があります。) そのため、原典小説の著作権は、A.A.ミルンの死後70年経過した時点で、少なくともアメリカ合衆国とイギリスにおいてはパブリックドメインとなりました。

しかし、ここが重要な点です。 私たちは「プーさん」というキャラクターを想像した時に、必ずしもA.A.ミルンの原典小説のみを思い浮かべるわけではありません。 ディズニーが製作したアニメーション映画や、数多くの関連グッズ、テーマパークのアトラクションなど、私たちの頭に浮かぶ「プーさん」のイメージは、ミルンの著作物のみならず、ディズニーによる二次創作物が大きく影響しているのです。

ディズニーは、ミルンの作品を元に、独自の解釈を加えたキャラクターデザインや物語を創作し、それを基に著作権や商標権を取得しています。これらのディズニー版プーさんに関する著作権や商標権は、原典の著作権とは全く別物であり、その満了時期も、ディズニーの内部規定や、個々の作品、商標登録に基づいて大きく異なります。 したがって、ディズニーが保有する「プーさん」のキャラクターイメージ、デザイン、そして関連作品に関する著作権は、まだ期限切れには至っていません。 今後数十年間、ディズニーは「プーさん」に関する商業的利用を継続し、その権利を保護していくでしょう。

つまり、「プーさん」の著作権の満了時期は、何を「プーさん」と定義するかによって大きく異なるのです。 A.A.ミルンの原典小説に関しては、アメリカとイギリスにおいては著作権が満了している、または間もなく満了する国もあります。 しかし、ディズニー版「プーさん」については、その著作権および商標権は、今後も長期にわたって保護されるでしょう。 この複雑な状況が、「プーさん」の著作権に関する議論を難しくしているのです。 正確な情報は、個々の作品、国、そして権利保有者によって異なるため、常に最新の情報を参照する必要があることを忘れてはいけません。