会社から交通費を遡って請求できますか？

過去の交通費、今からでも請求できる？ 知っておくべき権利と注意点

会社員の皆さん、毎日の通勤、本当にお疲れ様です。定期代や交通費は、給与とは別に会社から支給されるものですが、中には「過去の交通費、きちんと請求できていたかな…？」と不安に思っている方もいるかもしれません。結論から言うと、一定の条件下で、過去の交通費を遡って請求できる可能性はあります。

ただし、請求できる期間や、請求する上での注意点など、いくつか重要なポイントがあります。今回は、過去の交通費請求に関するあなたの疑問を解消し、権利を行使するための情報を提供します。

請求できる期間：時効との戦い

ご質問にあるように、過去の交通費を請求できる期間には、時効という概念が関わってきます。これは、法律で定められた期間を過ぎると、権利が消滅してしまうというものです。

一般的に、賃金や給与に関連する請求権の時効は、民法改正により2020年4月1日以降に発生したものは3年間とされています。つまり、2020年4月1日以降の交通費であれば、3年以内であれば請求できる可能性があるということです。

しかし、2020年3月31日以前に発生した交通費に関しては、時効が2年間となります。この点には注意が必要です。ご自身の請求したい交通費がいつ発生したものなのか、しっかりと確認しましょう。

請求する前に確認すべきこと

過去の交通費を請求する前に、以下の点を確認しておくことが重要です。

• 就業規則の確認: 会社によっては、交通費の支給に関する独自の規定を設けている場合があります。まずは就業規則を確認し、交通費の支給条件や申請方法、期限などを把握しましょう。
• 証拠の収集: 交通費を請求するためには、実際に交通費が発生したことを証明する証拠が必要です。領収書、ICカードの利用履歴、定期券の購入履歴など、できる限り多くの証拠を集めておきましょう。もし紛失してしまった場合でも、諦めずに再発行を試みたり、利用区間や金額を記録したメモなどを探してみましょう。
• 請求の根拠の明確化: なぜ過去の交通費を請求する必要があるのか、その理由を明確にしておきましょう。申請漏れ、計算ミス、制度変更による遡及的適用など、具体的な理由を伝えることで、会社側の理解を得やすくなります。

請求方法：まずは会社に相談を

過去の交通費を請求する際は、まず直属の上司や人事担当者に相談するのが賢明です。事情を説明し、必要な書類や手続きについて指示を仰ぎましょう。その際、集めた証拠や請求の根拠となる情報を提示することで、スムーズな対応が期待できます。

もし会社側が請求を拒否する場合でも、諦めずに理由を確認しましょう。就業規則の規定、時効、証拠不足など、拒否の理由によっては、対応できる場合があります。

もし会社が対応してくれない場合は？

会社に相談しても、どうしても過去の交通費を請求できない場合は、以下のような相談窓口を利用することも検討しましょう。

• 労働基準監督署: 会社が労働基準法に違反している可能性がある場合、労働基準監督署に相談することができます。
• 弁護士: 法的なアドバイスが必要な場合、弁護士に相談することができます。

最後に

過去の交通費を請求することは、あなたの正当な権利です。しかし、スムーズな請求のためには、事前の準備と会社とのコミュニケーションが不可欠です。今回の記事が、あなたの権利を守るための一助となれば幸いです。