信号のない横断歩道では止まるべきですか?

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歩行者や自転車が横断歩道や自転車横断帯を渡っている、または渡ろうとしている場合、ドライバーは横断歩道の手前(停止線があればその手前)で一時停止する必要があります。また、横断歩道や自転車横断帯とその手前30メートル以内は、追い越しや追い抜きが禁止されています。安全な通行のために、これらのルールを遵守しましょう。

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信号のない横断歩道、本当に止まるべき? ~止まるべき時、止まらなくて良い時、そしてその理由~

信号のない横断歩道、いわゆる「歩行者優先」の横断歩道は、私たちドライバーにとって常に悩ましい存在です。「歩行者優先」だから止まるべき、というのは理解していても、状況によっては「止まるのが正解か?」と迷うこともあるでしょう。本当に止まるべき時、そして、必ずしも止まらなくて良い時、さらにその判断基準となる理由について掘り下げて考えてみましょう。

止まるべき時:歩行者とのアイコンタクトが重要

道路交通法第38条には、歩行者や自転車が横断歩道や自転車横断帯を渡っている、または渡ろうとしている場合に、ドライバーは一時停止しなければならないと明記されています。つまり、歩行者が「渡ろうとしている」と判断できる場合、ドライバーは停止義務を負うのです。

しかし、この「渡ろうとしている」という判断が難しい。大切なのは、歩行者とのアイコンタクトです。

  • 歩行者が横断歩道に近づいている、もしくは既に横断歩道の手前に立っている場合: 視線がこちらに向いていたり、渡る意思を示しているような素振りが見られる場合は、停止する意思を明確に伝えましょう。減速し、ハザードランプを点灯するなどして、歩行者に「止まります」というメッセージを送ることが重要です。
  • 歩行者が横断歩道付近にいて、こちらを見ていない、もしくは明らかに渡る意思がない場合: 一概には言えませんが、安全を確認しつつ徐行で通過することができます。ただし、歩行者の動きを常に注視し、急な飛び出しに備える必要があります。

止まらなくて良い時:安全確認が最優先

一方で、安全が確保されている場合は必ずしも停止する必要はありません。例えば、以下のような状況です。

  • 歩行者が明らかに横断歩道を渡る意思がなく、遠くにいる場合: 無理に停止することは、後続車の追突事故を誘発する可能性があります。安全な車間距離を保ち、歩行者の動向を注視しながら徐行で通過しましょう。
  • 複数車線道路で、隣の車線の車が歩行者のために停止している場合: この場合、追い越しは絶対に禁止です。隣の車線の車が停止している理由を理解し、歩行者の有無を確認してから徐行で通過するようにしましょう。歩行者が完全に渡り終えるまで、安全確認を怠らないことが重要です。

判断基準となる理由:安全意識と周囲への配慮

重要なのは、状況に応じた臨機応変な判断です。法律を守ることはもちろんですが、安全意識と周囲への配慮を常に念頭に置くことが、事故を防ぎ、円滑な交通を実現するために不可欠です。

歩行者優先の精神を忘れず、歩行者とドライバーがお互いを尊重し、安全な交通社会を築いていくことが大切です。信号のない横断歩道では、一瞬の判断が事故を左右します。常に注意深く、安全運転を心がけましょう。