年末調整をさかのぼって申告するにはどうすればいいですか？

年末調整をさかのぼって申告するには？ 過去の未申告分の救済策

年末調整は、会社員にとって年に一度の税金調整の機会ですが、うっかり申告漏れがあったり、後から控除対象となるものが発覚したりすることもありますよね。そんな時、「もう手遅れ…」と諦めるのはまだ早いです。過去の年末調整は、遡って申告できる制度があるのです。

ここでは、年末調整を遡って申告するための具体的な方法と、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。

遡って申告するための2つの方法：還付申告と更正の請求

年末調整のやり直しは、大きく分けて「還付申告」と「更正の請求」という2つの方法で行います。どちらを選択するかは、状況によって異なります。

• 還付申告： まだ確定申告をしていない場合、または確定申告の期限（通常3月15日）を過ぎてしまった場合に利用します。還付申告は、確定申告の一種であり、結果的に税金を払い過ぎている場合に、その還付を受けるための手続きです。例えば、医療費控除や生命保険料控除など、年末調整で申告し忘れた控除がある場合に利用できます。

• 更正の請求： 既に確定申告を済ませている場合で、その内容に誤りがあった場合に利用します。例えば、所得金額を少なく申告していたり、控除額を少なく申告していたりした場合に、正しい金額に修正するために行います。

還付申告の手続き

1. 必要書類の準備：

   • 源泉徴収票（対象となる年のもの）
   • 還付申告書（税務署のホームページからダウンロード可能）
   • 控除に必要な証明書類（医療費の領収書、生命保険料控除証明書など）
   • マイナンバーカードまたは通知カードと本人確認書類
   • 振込先の口座情報（本人名義）

2. 還付申告書の作成： 国税庁のホームページにある「確定申告書作成コーナー」を利用すると、簡単に作成できます。画面の指示に従って必要事項を入力し、計算を進めていきましょう。

3. 提出方法：

   • e-Taxによるオンライン提出
   • 税務署への郵送
   • 税務署の窓口への持参

更正の請求の手続き

1. 必要書類の準備：

   • 更正の請求書（税務署のホームページからダウンロード可能）
   • 修正前の確定申告書の控え
   • 修正後の確定申告書
   • 修正内容を証明する書類

2. 更正の請求書の作成： 更正の請求書に、誤りの内容と正しい内容、そして修正理由を具体的に記入します。

3. 提出方法：

   • 税務署への郵送
   • 税務署の窓口への持参

注意点

• 遡れる期間： 還付申告、更正の請求ともに、過去5年分まで遡って申告できます。例えば、2024年に申告する場合、2019年分の所得税まで遡って申告可能です。
• 税務署の審査： 提出された書類は税務署で審査され、内容によっては追加の資料提出を求められる場合があります。
• 加算税・延滞税： 更正の請求の結果、税金を納め過ぎていた場合は還付金が支払われますが、逆に税金が不足していた場合は、加算税や延滞税が課される場合があります。
• 不安な場合は税務署へ相談： 手続きに不安がある場合は、最寄りの税務署に相談することをおすすめします。

まとめ

年末調整のやり直しは、複雑な手続きではありません。上記の情報を参考に、過去の申告漏れがないか確認し、適切な手続きを行いましょう。賢く制度を利用して、払い過ぎた税金を取り戻しましょう。