弁護士は法人ですか?

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弁護士は個人で開業することも、法律事務所または弁護士法人に所属することも可能です。法律事務所は個人事業主のような形態で、弁護士法人は株式会社のような法人格を持つ組織です。 弁護士法人では、複数弁護士による共同経営が容易になり、経営基盤の安定化や専門性の強化が図れます。

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弁護士は「法人」か?その実態とメリット・デメリットを徹底解説

「弁護士」と聞くと、スーツを着て法廷で活躍する個人をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし、弁護士の働き方は多岐にわたり、個人で活動する以外にも、法律事務所や弁護士法人という組織に所属するという選択肢があります。特に「弁護士法人」という言葉を聞くと、弁護士が会社員のような存在になるのかと疑問に思うかもしれません。

この記事では、弁護士が法人なのかという疑問に対し、弁護士の働き方の種類、弁護士法人とは何か、そしてそのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

弁護士の働き方の種類:個人事務所、法律事務所、弁護士法人

弁護士は、大きく分けて以下の3つの形態で働くことができます。

  • 個人事務所: 弁護士が個人で事務所を構え、独立して業務を行う形態です。弁護士としての裁量が大きく、自分の得意分野に特化した活動がしやすい反面、経営に関する責任もすべて自身で負う必要があります。

  • 法律事務所: 複数の弁護士が共同で事務所を構え、共同で業務を行う形態です。個人事務所よりも規模が大きくなることが多く、専門分野の異なる弁護士同士が連携することで、より幅広い案件に対応できるメリットがあります。法律事務所の形態は、個人事業主の集合体に近いイメージです。

  • 弁護士法人: 弁護士法に基づいて設立された法人格を持つ組織です。株式会社と同様に、法人として権利義務の主体となるため、事務所名義で契約を結んだり、訴訟を起こしたりすることができます。

弁護士法人とは? 株式会社との違いは?

弁護士法人は、弁護士が共同で法律業務を行うために設立される法人です。株式会社のように出資者がいて、経営陣が弁護士資格を持たないというケースはありません。社員(社員とは株式会社における株主のような立場です)はすべて弁護士でなければなりません。

株式会社との主な違い:

  • 目的: 株式会社は営利を目的としますが、弁護士法人は法律業務を行うことを目的とします。
  • 構成員: 株式会社は株主と経営陣が分離している場合がありますが、弁護士法人は社員(株主のような立場)が弁護士でなければなりません。
  • 責任: 株式会社は有限責任ですが、弁護士法人の社員(弁護士)は、弁護士法人の債務に対して一定の責任を負う場合があります。

弁護士法人のメリット・デメリット

弁護士法人として活動することには、個人事務所や法律事務所とは異なるメリット・デメリットが存在します。

メリット:

  • 経営基盤の安定化: 複数の弁護士が出資し合うことで、資金調達が容易になり、経営基盤を安定させることができます。
  • 組織的な業務遂行: 組織として業務を分担し、効率的に案件を進めることができます。
  • 専門性の強化: 特定の分野に精通した弁護士が集まることで、専門性を高め、高度な案件に対応することができます。
  • 人材育成: 若手弁護士の育成制度を確立し、組織全体としての能力向上を図ることができます。
  • 対外的な信用力向上: 法人格を持つことで、個人事務所よりも対外的な信用力が高まり、企業などのクライアントからの信頼を得やすくなります。

デメリット:

  • 経営の自由度が低い: 組織の方針に従う必要があり、個人の裁量が制限される場合があります。
  • 責任の所在が曖昧になる: 組織全体としての責任が発生した場合、個々の弁護士の責任範囲が曖昧になる可能性があります。
  • 設立手続きが煩雑: 株式会社と同様に、設立には一定の手続きが必要となります。
  • 利益配分の問題: 組織全体の利益をどのように分配するかについて、弁護士間で意見の相違が生じる可能性があります。

まとめ

弁護士は、個人事務所、法律事務所、弁護士法人という様々な形態で活動することができます。弁護士法人は、経営基盤の安定化や専門性の強化といったメリットがある一方で、経営の自由度が低いといったデメリットも存在します。

弁護士を選ぶ際には、個人の弁護士としての能力だけでなく、所属する組織の規模や専門分野、実績なども考慮することが重要です。弁護士法人を選択肢に入れることで、より自分に合った弁護士を見つけることができるかもしれません。