所得控除額 どこを見る？

年末調整や確定申告、聞くと身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。特に、所得控除額の確認は、税金計算において非常に重要でありながら、どこを見れば良いのか分からず戸惑う方も少なくありません。本記事では、所得控除額を確認する方法を分かりやすく解説します。単に「源泉徴収票を見れば良い」というだけでなく、源泉徴収票の見方、控除の種類、そして万一源泉徴収票を紛失した場合の対処法まで、網羅的に説明します。

まず、最も重要なのは源泉徴収票です。これは会社員であれば、年末に会社から支給される書類で、その年の給与所得に関する重要な情報が記載されています。所得控除額もその一つです。源泉徴収票には、給与総額、支払を受けた日数、源泉徴収税額といった情報に加え、様々な控除の内訳が詳細に記されています。具体的には、下記のような控除が記載されているはずです。

• 基礎控除: 全ての納税義務者に適用される控除です。年齢や扶養家族の有無に関わらず、一定額が控除されます。
• 配偶者控除: 配偶者の収入が一定額以下の場合に適用される控除です。
• 扶養控除: 配偶者や子供など、一定の条件を満たす扶養家族がいる場合に適用される控除です。一人につき控除額が異なります。
• 障害者控除: 障害者本人に適用される控除です。障害の程度によって控除額が変わります。
• 寡婦(寡夫)控除: 配偶者を亡くし、一定の条件を満たす場合に適用される控除です。
• 勤労学生控除: 学生で一定の条件を満たす場合に適用される控除です。
• 医療費控除: 実際に支払った医療費が一定額を超えた場合に適用される控除です。これは源泉徴収票には記載されず、確定申告時に自分で計算して申告する必要があります。
• 社会保険料控除: 健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料を支払った額が控除されます。これも源泉徴収票には記載がありますが、正確な金額は保険証や領収書等で確認する必要があります。
• 生命保険料控除: 生命保険料や地震保険料などを支払った額が控除されます。これも源泉徴収票には記載がありますが、正確な金額は保険料控除証明書等で確認する必要があります。

これらの控除額は、源泉徴収票の「控除額」またはそれに類する項目に記載されています。項目名と金額が明記されていることが多いですが、記載方法や項目名は会社によって多少異なる場合があります。 もし、見つけにくい場合は、会社の人事部や経理部などに問い合わせるのが確実です。

源泉徴収票は、税務署への提出も必要となる重要な書類です。年末調整や確定申告が終わった後も、少なくとも３年間は大切に保管しましょう。紛失してしまった場合は、会社に再発行を依頼する必要があります。再発行には一定の手続きが必要となる場合があるので、早めの対応が重要です。

税金の計算は複雑で、理解に苦しむ部分も多いですが、まずは源泉徴収票を丁寧に確認することが、正確な申告への第一歩です。 もし、控除額について疑問点があれば、税務署や税理士に相談するのも良いでしょう。 正しい知識を身につけて、スムーズな年末調整・確定申告を迎えましょう。