為替の確定申告はいくらから必要ですか？

為替取引の確定申告、その基準額は？本業の有無で大きく変わる現実

近年、手軽に始められることから、FX（外国為替証拠金取引）で副収入を得ようとする会社員が増えています。しかし、FXで得た利益は、税金がかかることをご存知でしょうか？ 「いくらから確定申告が必要なのか？」という疑問は、多くのFXトレーダーにとって重要な関心事です。 結論から言うと、その基準額は、あなたが本業（給与所得）を持っているか否かで大きく異なります。 本記事では、その違いを明確に解説し、確定申告に関する誤解を解き明かします。

まず、給与所得のある会社員の場合を考えてみましょう。 会社員として給与所得を得ている人がFXで利益を得た場合、その利益は「雑所得」として扱われます。そして、この雑所得と給与所得を合わせた年間の所得が一定額を超えると、確定申告が必要になります。 一般的に言われるのは、FXによる年間利益が20万円を超えた場合です。 これは、給与所得者には基礎控除（2023年度は97万円）があり、それ以下の所得は税金がかからないためです。 FXで20万円の利益を得たとしても、給与所得と合わせて基礎控除の範囲内であれば、確定申告は不要です。しかし、20万円を超えた利益は、他の所得と合算され、税金がかかる部分が出てきます。 よって、安全のためにも、20万円を超える利益が出た場合は確定申告を行うべきです。

一方で、FXが唯一の収入源の場合（専業主婦・学生など）は、基準額が異なります。 この場合は、年間の利益が48万円を超えた場合に確定申告が必要です。これは、給与所得がないため、基礎控除額が48万円に設定されているためです。 48万円までは、所得税の基礎控除によって税金がかからないのです。 48万円を超える利益を得た場合、その超過分に対して税金が課せられるため、確定申告を行う必要があります。

ここで重要なのは、「利益」とは「収入」と「経費」の差額であるという点です。 FX取引では、取引手数料やスワップポイントなどが経費として認められます。 これらの経費を差し引いた純粋な利益が、確定申告の対象となります。 正確な利益計算を行うためには、取引履歴をきちんと保存し、経費を正確に把握することが不可欠です。 取引記録の保存期間は、原則として、所得税の確定申告期限から7年間です。

さらに、確定申告は面倒だと感じる人もいるかもしれませんが、適切に申告することで税金負担を減らせる可能性もあります。 例えば、損失が出た場合は、他の所得から損失を控除できる場合があります。 また、確定申告を行うことで、税金に関する知識を深めることができ、将来的な節税にも繋がります。

まとめると、FXによる確定申告の必要額は、本業の有無によって大きく異なり、給与所得のある会社員は年間利益20万円超、給与所得のない人は年間利益48万円超が目安となります。 正確な計算と記録の保存を怠らず、税務署への適切な申告を心がけましょう。 不明な点があれば、税理士などの専門家に相談することも有効な手段です。 税金に関する知識は、FX取引における成功を左右する重要な要素の一つなのです。