返信するとき、ご芳名の消し方は？

返信はがきで「ご芳名」を消す際のマナー：失礼のない大人の作法

返信はがき、特に結婚式の招待状などで見かける「ご芳名」という文字。返信する際にどのように消すのが正しいのか、意外と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。一見些細なことのように思えますが、相手への敬意を示す大切なマナーの一つです。

上記で示されている基本的な方法は正しいのですが、さらに丁寧に、そして失礼のないようにするためのポイントを掘り下げて解説します。

1. 使用する筆記具と線引きの重要性

黒インクの筆記具を使用するのは基本中の基本です。これは、弔事を含めたフォーマルな場面における正式な書き方として定着しています。鉛筆や消せるボールペンは避けましょう。

線引きは、定規を使って丁寧に引くことが大切です。フリーハンドで引いてしまうと、どうしても線が歪んでしまい、雑な印象を与えてしまいます。定規を使うことで、相手に対する敬意を示すことができます。

縦書きの場合は縦に、横書きの場合は横に線を引くのはもちろんですが、線の太さにも気を配りましょう。太すぎると文字が完全に隠れてしまい、かえって読みにくくなってしまいます。細すぎると、きちんと消したように見えません。文字の大きさに合わせて、適切な太さの線を選びましょう。

2. 修正ペンは絶対にNG？

基本的に修正ペンは避けるべきです。しかし、どうしても間違えてしまった場合や、インクが滲んでしまった場合は、最小限の使用に留めましょう。修正ペンを使用した後は、乾いてから再度黒インクで丁寧に線を引いて、修正箇所が目立たないように工夫することが重要です。

3. 「ご芳」だけでなく「様」も消すべき？

多くの場合、「ご芳名」の下には「様」が印刷されています。この「様」も、同様に二重線で消すのが一般的です。しかし、状況によっては、残しても良い場合があります。例えば、相手が親しい友人であり、多少くだけた表現でも失礼にならないと判断できる場合は、あえて「様」を残すことで、より親近感を表現することができます。ただし、迷った場合は、消しておくのが無難です。

4. なぜ「ご芳名」を消す必要があるのか？

「ご芳名」という言葉は、相手の氏名を敬って言う表現です。返信する側が自分の名前を書く場合、自分自身に敬意を払う必要はないため、この言葉を消します。これは、謙譲の美徳を表す、日本ならではの奥ゆかしいマナーと言えるでしょう。

5. 状況に応じた臨機応変な対応

招待状の種類や、相手との関係性によって、上記のルールを多少変更しても構わない場合があります。例えば、カジュアルなパーティーの招待状であれば、そこまで神経質になる必要はありません。しかし、結婚式や葬儀など、フォーマルな場面では、しっかりとマナーを守ることが大切です。

まとめ

返信はがきで「ご芳名」を消す行為は、単に文字を消すだけでなく、相手への敬意を示す大切なマナーです。黒インクの筆記具を使い、定規で丁寧に線を引くなど、細部にまで気を配ることで、より丁寧な印象を与えることができます。状況に応じて臨機応変に対応しながら、失礼のない返信を心がけましょう。