確定申告でタクシー代のレシートは使えますか？

確定申告におけるタクシー代：領収書と経費計上の注意点

確定申告で経費として計上できる費用は、事業所得を得るために直接必要なものに限られます。移動手段としてタクシーを利用した場合、そのタクシー代を経費として計上できるかどうかは、いくつかの条件を満たす必要があります。特に領収書の扱いについては注意が必要です。

まず、大前提として、タクシー代を経費として計上できるのは、事業に関連する移動に限られます。プライベートな移動、例えば個人的な買い物やレジャーのためのタクシー利用は経費として認められません。

領収書について

領収書は、タクシー代を経費として計上するための重要な証拠となります。認められる領収書の種類と記載事項は以下の通りです。

• 機械印字されたレシート: 基本的に、確定申告でタクシー代の領収書として認められるのは、タクシー会社が発行する機械印字されたレシートのみです。レシートには、以下の情報が明確に記載されている必要があります。
  • 日付: 利用した日付
  • 金額: 支払った金額
  • タクシー事業者の名称: タクシー会社の正式名称
  • 領収書番号：レシートを特定するための番号
• 手書きの領収書: 手書きの領収書は、原則として認められません。例外的に、機械の故障などで手書きの領収書しか発行できない場合は、タクシー会社に事情を説明し、会社印を押印してもらうなどの措置が必要になる場合があります。しかし、税務署の判断によっては認められない可能性もあるため、できる限り機械印字されたレシートを入手するように心がけましょう。

経費計上における注意点

• 目的地と目的の記録: 領収書に加えて、なぜそのタクシーを利用する必要があったのか、目的地はどこで、どのような目的で使用したのかを記録しておくことが重要です。具体的には、会議への出席、顧客との打ち合わせ、取引先への訪問などが考えられます。
• 交通手段の選択理由: 通常、電車やバスなどの公共交通機関を利用できる場合は、それを利用すべきです。タクシーを利用した理由を明確に説明できるように準備しておきましょう。例えば、
  • 時間的制約：公共交通機関では間に合わない
  • 荷物が多い：公共交通機関での移動が困難
  • 体調不良：公共交通機関の利用が難しい
    などが考えられます。
• 金額の妥当性: あまりにも高額なタクシー代は、税務署から指摘を受ける可能性があります。通常利用される範囲内の金額であるかを確認しましょう。
• ETCカード利用の場合: 法人名義のETCカードでタクシー代を支払った場合、ETCカードの利用明細とタクシーの領収書を合わせて保管する必要があります。

その他

• 領収書は、確定申告が終わった後も、一定期間（通常は7年間）保管する必要があります。税務調査が入った場合に、提示を求められることがあるためです。
• 不明な点がある場合は、税理士や税務署に相談することをお勧めします。

以上の点を踏まえて、タクシー代の領収書を適切に管理し、確定申告に臨みましょう。