育休を取ると年金は減りますか？

育休と年金：将来への不安を解消！知っておきたい制度の仕組みと賢い備え方

子育て世代にとって、育児休業（育休）は大切な時間。しかし、収入が減ることに伴い、「将来の年金に影響が出ないか」という不安を抱える方も少なくありません。結論から言うと、基本的に育休を取っても年金額は減りません。この記事では、その仕組みを詳しく解説し、安心して育休を取得するためのポイントをご紹介します。

育休中は、確かに毎月の給与が減ったり、なくなったりします。給与から天引きされる社会保険料（厚生年金保険料、健康保険料）の支払も免除されます。これが「年金が減るのでは？」という不安の根源です。しかし、ご安心ください。育休中は、年金記録上、「育児休業期間」としてきちんと記録され、将来の年金額算定に不利に影響することはありません。

具体的には、育休期間中は、厚生年金保険料の支払は免除されますが、その期間は「標準報酬月額」が「被保険者期間」として算入されます。標準報酬月額とは、年金額を計算する際の基礎となる金額のこと。育休中は、直前の標準報酬月額がそのまま適用されるため、年金額が減る心配はありません。

また、育休中は被保険者資格も維持されます。つまり、健康保険や厚生年金保険の被保険者としての権利は継続され、万が一の病気やケガの際にも、健康保険の給付を受けることができます。これは、育児に専念する上で大きな安心材料となるでしょう。

ただし、育休期間中は収入がないため、国民年金への加入が必要となる場合があります。会社員や公務員の場合は、厚生年金保険に加入していますが、育休により収入が一定額以下になると、国民年金への加入対象となる可能性があります。この場合、国民年金保険料を支払う必要があります。国民年金への加入が必要かどうかは、勤務先の担当部署や市区町村役場に確認しましょう。

さらに、将来の年金に備えたいという方は、任意で国民年金に加入し、付加保険料を納付するという選択肢もあります。付加保険料は月額400円で、老齢基礎年金の受給額を増やすことができます。また、iDeCo（個人型確定拠出年金）を利用することも可能です。iDeCoは、自分で掛金を拠出し、運用することで、将来の年金を増やすことができる制度です。育休中の収入が少ない時期は、iDeCoの掛金を減額したり、一時的に停止することもできます。

育休は、子どもとの大切な時間を過ごすための貴重な機会です。年金への影響を心配せずに、安心して育休を取得し、子育てに専念できるよう、制度の仕組みを理解し、自分に合った備えを検討しましょう。

最後に、育児休業給付金についても触れておきます。育休中は、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。これは、育休中の生活を支えるための重要な収入源となります。育児休業給付金の受給条件や金額については、ハローワークに問い合わせるか、厚生労働省のウェブサイトなどで確認できます。

この記事が、育休と年金に関する不安を解消し、安心して子育てに取り組むための一助となれば幸いです。