遺産相続で戸籍謄本と戸籍抄本、どちらを集めればいい?

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相続手続きには、戸籍謄本が必須です。戸籍抄本では不十分で、相続開始後の全ての戸籍関係者情報が必要となるため、戸籍謄本を必ず取得しましょう。 必要な情報が全て記載された完全な記録である謄本は、相続財産の名義変更や遺産分割協議など、あらゆる手続きで不可欠です。抄本では不備が生じる可能性が高いため、注意が必要です。

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遺産相続における戸籍謄本と戸籍抄本:どちらが必要? ケース別徹底解説

遺産相続の手続きを進める上で、必ずと言っていいほど必要になるのが戸籍関係の書類です。中でも、戸籍謄本と戸籍抄本は、その違いが分かりにくく、どちらを集めるべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、原則として遺産相続には戸籍謄本が必要になります。しかし、具体的なケースによっては、戸籍抄本でも対応可能な場合や、さらに別の書類が必要になることもあります。

この記事では、遺産相続における戸籍謄本と戸籍抄本の違いを明確にし、ケース別にどちらを集めるべきかを徹底解説します。

戸籍謄本と戸籍抄本の違いとは?

戸籍謄本は、戸籍に記載されている全員の情報が記載された書類です。一方、戸籍抄本は、戸籍に記載されている一部の人の情報のみが記載された書類です。イメージとしては、戸籍謄本は戸籍全体のコピー、戸籍抄本は戸籍の一部分の抜粋といったところでしょう。

なぜ遺産相続には戸籍謄本が必要なのか?

遺産相続手続きにおいて戸籍謄本が必要となる理由は、主に以下の点にあります。

  • 相続人を確定するため: 誰が相続人となるかは、民法で定められた法定相続人に基づいて決定されます。この法定相続人を確定するためには、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要になります。これにより、子供の有無、養子の有無、過去の婚姻歴などを確認し、相続人を漏れなく把握することができます。
  • 相続関係を証明するため: 戸籍謄本は、亡くなった方と相続人との関係性を証明する公的な書類です。これにより、相続人としての権利を主張することができます。
  • 遺産分割協議を円滑に進めるため: 相続人全員の情報が記載された戸籍謄本があることで、相続人同士の連絡がスムーズになり、遺産分割協議を円滑に進めることができます。
  • 金融機関や法務局での手続きに必要: 相続財産の名義変更や、不動産の相続登記を行う際、金融機関や法務局は必ず戸籍謄本の提出を求めます。これは、相続人が正当な権利を持っていることを確認するためです。

戸籍抄本で足りるケース、足りないケース

原則として遺産相続には戸籍謄本が必要ですが、例外的に戸籍抄本でも対応可能なケースがあります。

  • 特定の相続人に限定された手続きの場合: 例えば、遺言書で特定の相続人に全ての遺産を相続させることが指定されている場合、その相続人に関する戸籍抄本のみで足りる場合があります。ただし、金融機関や法務局によって判断が異なるため、事前に確認が必要です。
  • 過去の相続手続きですでに戸籍謄本を提出済みの場合: 過去の相続手続きで亡くなった方の戸籍謄本を提出済みであり、相続関係に変更がない場合、戸籍抄本で足りる場合があります。ただし、これも事前に確認が必要です。

戸籍謄本以外に必要な書類

遺産相続手続きには、戸籍謄本の他に、以下の書類が必要になる場合があります。

  • 除籍謄本: 亡くなった方が過去に別の戸籍に在籍していた場合、その戸籍の情報が必要になります。除籍謄本は、すでに閉鎖された戸籍の情報が記載された書類です。
  • 改製原戸籍: 戸籍の様式が変更された場合、変更前の戸籍の情報が必要になります。改製原戸籍は、様式変更前の戸籍の情報が記載された書類です。
  • 住民票の除票: 亡くなった方の最後の住所を証明する書類です。
  • 印鑑証明書: 相続人が遺産分割協議書に押印する際に必要になります。

まとめ:迷ったら専門家へ相談を

遺産相続における戸籍謄本と戸籍抄本の使い分けは、非常に複雑です。特に、相続関係が複雑な場合や、手続きに不安がある場合は、専門家(弁護士、司法書士、行政書士など)に相談することをおすすめします。専門家は、相続関係を正確に把握し、必要な書類を適切に収集し、手続きをスムーズに進めるサポートをしてくれます。

この記事が、遺産相続手続きにおける戸籍謄本と戸籍抄本の理解の一助となれば幸いです。