「とんでもないことです」は謙遜するときに使えますか?
「とんでもないことです」は、一見謙遜の言葉として使えそうに見えますが、実際には状況によっては非常に不自然で、場合によっては失礼にさえ聞こえる表現です。 そのため、謙遜したい場面で安易に使うべきではありません。 その理由を詳しく見ていきましょう。
「とんでもない」という言葉自体は、程度が極めて大きいことを表す強調表現です。「とんでもない事態だ」「とんでもないことをした」など、ネガティブな状況で使われることが多いです。 この言葉に「です」を付けることで、丁寧さを加えようとする試みが見られますが、丁寧さよりもむしろ、強調された「とんでもない」というニュアンスが強く残るため、謙遜の意図が十分に伝わらないどころか、逆効果になる可能性が高いのです。
例えば、上司から「この企画、素晴らしいですね!」と褒められたとします。この時、「とんでもないことです」と答えると、上司は戸惑うかもしれません。 「とんでもない」という言葉が持つ強い否定的なニュアンスが、上司の褒め言葉を否定しているように聞こえてしまうからです。 「とんでもない」は、褒められた内容自体が「とんでもなく素晴らしい」という意味ではないため、文脈から謙遜の意図を汲み取ってもらうのは難しいと言えます。 むしろ、「そんなことありません」や「過分なお褒めの言葉、ありがとうございます」など、褒め言葉に直接的に反応する方が、誠実で自然な受け答えとなります。
謝罪を受けた際も同様です。例えば、相手から「申し訳ございませんでした」と謝罪されたとしましょう。「とんでもないことです」と返すのは適切ではありません。 この場合も、「とんでもない」の強調するニュアンスが、謝罪の程度を軽く見ている、もしくは謝罪を受け入れることを拒否しているように聞こえかねません。 「とんでもないです」という表現は、謝罪を受け入れるというよりは、むしろ相手を窘めるような、上から目線にさえ聞こえる可能性があります。 「いえいえ、とんでもございません」や「構いませんよ」など、より穏やかで、相手への配慮が感じられる表現を選ぶべきでしょう。
「とんでもないです」と似た表現で、「とんでもございません」や「とんでもありません」といったものがありますが、これらも状況によっては適切とは言い切れません。 より丁寧さを求めるなら、「過分なお褒めの言葉、恐縮です」「お気遣いいただき、ありがとうございます」など、具体的な状況に合わせた表現を使う方が、真摯な謙虚さを伝えることができます。
要するに、「とんでもないです」は、謙遜の表現として使うのは避けるべきです。 言葉の持つニュアンスを理解し、相手への配慮を忘れずに、状況に合わせた適切な言葉を選ぶことが大切です。 謙遜したい場面では、より具体的な表現を選択することで、あなたの真意が相手に的確に伝わり、良好なコミュニケーションを築くことに繋がります。 言葉を選ぶ際には、常に「相手はどう感じるか」を意識することが重要です。
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