ありがとうございますとありがとうございましたはどう違うの？

「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の違い：感謝を伝える日本語の奥深さ

日本語を話す上で、日常的に使う感謝の言葉「ありがとうございます」と「ありがとうございました」。どちらも「ありがとう」という感謝の気持ちを表す言葉ですが、使う状況によってニュアンスが大きく異なります。なんとなく使い分けている人もいるかもしれませんが、それぞれの言葉が持つ意味を理解することで、より的確に感謝の気持ちを伝えることができます。

「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の最も大きな違いは、 時間軸 です。

「ありがとうございます」は、現在進行形の状況や行為に対して感謝を伝える言葉です。 例えば、

• レストランで料理を運んできた店員さんに「ありがとうございます」
• 道を教えてくれた人に「ありがとうございます」
• 今まさにアドバイスを受けている時に「ありがとうございます」

上記のように、相手の行為が 現在進行形 であり、その行為によって恩恵を受けている状況で使うのが適切です。相手の親切な行為や配慮に対して、その瞬間の感謝の気持ちを込めて伝えます。

一方、「ありがとうございました」は、すでに完了した行為や状況に対して感謝を伝える言葉です。 例えば、

• レストランで食事を終えて店を出る際に「ありがとうございました」
• アドバイスをもらった後に「ありがとうございました」
• プレゼントを受け取った後に「ありがとうございました」

相手の行為が すでに完了 しており、その行為全体に対して感謝の気持ちを伝える際に用います。過去に受けた恩恵や親切な行為に対する感謝を、改めて表現するニュアンスが含まれています。

より具体的に例を挙げてみましょう。

あなたがお店で買い物をしているとします。店員さんが丁寧に商品の説明をしてくれた場合、説明を受けている最中は「ありがとうございます」と感謝を伝えます。そして、買い物を終えてお店を出る際には、「ありがとうございました」と、一連のサービスに対して感謝を伝えるのが適切です。

間違った使い方をすると、少し不自然な印象を与えてしまうこともあります。 例えば、レストランで料理を運んできた店員さんに「ありがとうございました」と言うと、まるで食事を終えたかのような印象を与えてしまいます。

「ありがとうございます」と「ありがとうございました」は、相手との関係性や状況によって使い分ける必要があります。 親しい間柄であれば、どちらを使っても問題ない場合もありますが、ビジネスシーンや目上の人に対しては、より丁寧に使い分けることが重要です。

まとめ

• ありがとうございます： 現在進行形の行為や状況に対する感謝
• ありがとうございました： 完了した行為や状況に対する感謝

これらの違いを理解することで、より適切な言葉を選び、感謝の気持ちをより的確に伝えることができるようになります。些細な違いではありますが、日本語の奥深さを感じられる部分でもあります。日々のコミュニケーションの中で意識して使い分けることで、より円滑な人間関係を築けるはずです。