お客さんが上座と下座の席はどこですか？

お客様をお迎えする際の、上座と下座の席について

お客様をお迎えする時、上座と下座の適切な席の選び方は、おもてなしの心遣いを示す重要なポイントです。お客様に心地よく、また、もてなす側も落ち着いて接客できるよう、上座と下座の基本的な知識を理解し、状況に応じて柔軟に対応することが大切です。

上座と下座の考え方

上座とは、客人のための最も格式の高い席です。一般的に、部屋の奥、玄関から遠い位置に設けられます。これは、お客様を敬い、より特別な場所とみなすというおもてなしの気持ちを表しているからです。上座は、お客様の立場や身分、また、その時の状況に応じて配慮する必要があります。例えば、重要な取引先の方には、より奥まった場所を選び、特別な配慮を示すことで、お客様への敬意を示すことができます。

一方、下座は、玄関に近い場所、または上座と反対側の席です。おもてなしをする側、つまり、ホストが座る席です。下座は、お客様への敬意を払いながら、ホストも落ち着いて接客できるよう、上座とバランスを取るように配置されます。上座と下座は、空間的な位置関係だけでなく、会話の動線、そして、お客様とホストの関係性を反映した配置であると言えるでしょう。

状況に応じた上座と下座の判断

上座と下座の決定は、あくまでも状況に応じて柔軟に判断する必要があります。

• 人数と空間: 複数のお客様が来られる場合は、それぞれの立ち位置や関係性を考慮し、それぞれの最適な上座を決める必要があります。狭い空間では、上座の配置に制約がある場合もあります。
• お客様の立場: 客人に立場や身分がある場合は、その関係性を考慮し、より格式高い席を選んで対応します。例えば、会社の上層部や著名な方々には、さらに特別な配慮が必要です。
• イベントの種類: 会議やパーティーなど、イベントの種類によっても上座と下座の配置は異なってきます。テーブル席の場合、お客様の方を向くように座るなど、会話を円滑に進めるための工夫も必要です。
• お客様との関係: 普段から親しい間柄のお客様であれば、フォーマルさを抑え、よりリラックスした雰囲気で接客できるような配置にすることも考えられます。

上座・下座の選定における注意点

上座と下座の選定においては、以下の点を考慮すると、よりスムーズで心地良いおもてなしを実現できます。

• お客様のプライバシーを尊重する: 上座と下座の区別がハッキリしすぎると、お客様は窮屈に感じてしまうかもしれません。空間の仕切りや、仕切りがない場合でも、隣席のお客様が会話に巻き込まれないような配慮が必要です。
• お客様への配慮: お客様の体格や年齢なども考慮し、座りやすく、移動し易い場所を選定することが重要です。
• 動線を考慮する: 上座と下座だけでなく、来客の動線を考慮し、スムーズな対応ができるような配置を考えておきましょう。
• 場全体の雰囲気: 上座・下座の配置が、全体の雰囲気を左右します。テーブルやイスの配置、照明、音響など、細部にまで気を配ることが重要です。

上座と下座の考え方は、日本の伝統的なおもてなしの心遣いを表す重要な要素です。状況に応じて適切に判断し、お客様に敬意を払いながら、心温まるおもてなしを心掛けましょう。