お見舞いにタブーなものは？

お見舞い、それは患者の回復を願い、寄り添う大切な行為です。しかし、善意であっても、相手に不快感を与えてしまうような贈り物や言動をしてしまうと、かえって負担をかけてしまうことになりかねません。 そこで、お見舞いに際して、タブーとされること、避けるべきことについて、改めて考えてみましょう。

まず、贈り物について。最も注意すべきは、弔辞を連想させるものや、不幸を暗示するものです。一般的に知られているのは、鉢植えの花です。「鉢植えは寝付く（寝付かせる）」という語呂合わせから、入院中の方への贈り物としては避けられる傾向があります。特に、シクラメンや菊、椿などは、葬儀などで使われることが多いため、お見舞いには不適切です。また、鮮やかな真紅の花も、血を連想させるため、避けた方が無難でしょう。 これらの植物は、美しいものではありますが、お見舞いの場においては、その象徴的な意味合いを考慮する必要があります。

香りの強い花も注意が必要です。ユリや水仙などは、香りが強く、病室という閉鎖的な空間では、患者の体調を悪くさせる可能性があります。特に、嗅覚が敏感になっている方にとっては、強い香りは苦痛となるでしょう。 患者さんの状況によっては、アレルギー反応を引き起こす可能性も考慮しなければなりません。 贈る際は、香りが控えめな花、もしくは、花以外の贈り物を選ぶ方が賢明です。

食べ物は、患者の状況を考慮しなければなりません。 喜んで受け取ってもらえるかどうかは、患者の病状や食事制限、好みによって大きく異なります。 例えば、消化に悪いもの、アレルギーのあるもの、宗教上の理由で食べられないものなど、様々な制約がある可能性があります。 事前に患者の状態や好みに関する情報を得ることができればベストですが、それが難しい場合は、賞味期限の短い生ものや、個包装されていないものは避けた方が無難です。 万が一、食べられないものだったとしても、気持ちは伝わりますので、相手に負担をかけないような配慮が必要です。

さらに、贈り物以外に注意すべき点として、訪問時間があります。長時間の訪問は、患者の負担になります。 短時間で、明るく元気づけるような言葉をかけ、適切なタイミングで退室することが重要です。 また、患者の病状について詮索したり、ネガティブな発言をしたりするのも避けましょう。 患者の心情に寄り添い、前向きな言葉をかけ、回復を願う気持ちを示すことが大切です。

最後に、お見舞いに行く際は、自分の体調にも気を配りましょう。 風邪気味であったり、体調不良の場合は、訪問を延期することが重要です。 患者に感染症をうつしてしまう可能性があり、患者の回復を妨げることにも繋がりかねません。

お見舞いは、患者の回復を願う気持ちを表す大切な行為です。 しかし、単に気持ちを伝えるだけでなく、相手への配慮、状況への配慮を第一に考え、適切な行動をとることが求められます。 上記に挙げた点を参考に、真心こもったお見舞いを実現しましょう。 相手にとって本当に喜ばれるもの、そして、気持ちの負担にならないような行動を心掛けてください。