インフルエンザは病院に行かないとどうなる？

インフルエンザは、多くの場合、安静と十分な水分補給によって自然治癒が期待できる病気です。しかし、「病院に行かないとどうなるのか」という問いに対しては、単純な答えはありません。個々の症状の重症度、年齢、基礎疾患の有無など、様々な要因が予後を大きく左右するからです。軽症であれば自宅療養で回復することも多く、逆に重症化すれば命に関わる事態にも発展しかねません。

まず、インフルエンザの症状を軽く見てはいけない点が重要です。高熱、激しい頭痛、全身倦怠感、咳、鼻水といった一般的な症状に加え、呼吸困難、胸痛、意識混濁、痙攣といった症状が現れた場合は、重症化のサインである可能性があります。特に、高齢者や乳幼児、慢性疾患を持つ方は重症化リスクが高く、注意が必要です。これらの症状が現れた場合は、迷わず医療機関に連絡することが不可欠です。

自宅療養を選択した場合でも、症状の経過を注意深く観察することが重要です。熱が下がっても、咳や倦怠感が長引く場合、または症状が再燃する場合は、二次感染や合併症の可能性も考慮しなければなりません。インフルエンザウイルスは、肺炎や気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎といった様々な合併症を引き起こす可能性があります。特に乳幼児や高齢者は、これらの合併症によって重症化しやすいため、早期の医療介入が重要となります。

インフルエンザ脳症は、インフルエンザの重篤な合併症の一つで、命に関わる危険性があります。意識障害、けいれん、呼吸困難といった症状が現れる場合があり、迅速な治療が必要です。インフルエンザ脳症は、発症が急速で予後が不良であるため、早期発見、早期治療が非常に重要です。少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関を受診することが最善策です。

また、インフルエンザは、ウイルス感染であるため、抗ウイルス薬が有効です。症状発症から早期に服用を開始することで、症状の軽減や重症化の予防に繋がります。しかし、抗ウイルス薬は万能ではなく、全ての症状を改善するわけではありません。医師の指示に従って服用することが重要です。自己判断で服用を中断したり、薬局で購入した市販薬を服用したりすることは危険です。

さらに、自宅療養中は、安静を保ち、十分な水分補給を行うことが大切です。栄養価の高い食事を摂り、睡眠時間を確保することで、体の回復を促進します。脱水症状を防ぐために、こまめな水分補給を心がけましょう。周囲の人への感染を防ぐためにも、マスクの着用や手洗い、うがいを徹底することも重要です。

まとめると、インフルエンザは軽症であれば自宅療養で回復する可能性が高い一方、重症化すれば命に関わる危険性も秘めています。特に、高齢者、乳幼児、基礎疾患を持つ方は重症化リスクが高いので注意が必要です。呼吸困難や意識混濁など、重症化のサインが現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。早期診断と適切な治療によって、重症化を防ぎ、迅速な回復を目指しましょう。医師の指示に従い、適切な対応を取ることで、インフルエンザを乗り越えることができます。 自己判断で治療を進めるのではなく、医療機関と連携することで、安全で安心な回復を期待できるのです。