タクシーは100円ずつ上がるのはなぜ？

なぜタクシーは100円ずつ上がる？ ～ 知られざる運賃システムの秘密 ～

街中を颯爽と駆け抜けるタクシー。忙しい時や荷物の多い時など、私たちの生活に欠かせない存在です。 しかし、タクシーに乗ると気になるのが、メーター料金が100円ずつ上がっていくこと。「あれ？まだそんなに走ってないのに？」と不思議に思ったことはありませんか？

実は、タクシーの運賃は単純に走行距離だけで決まっているわけではありません。そこには、 「初乗り運賃」 と 「加算運賃」 という二つの重要な要素が複雑に絡み合っているのです。

初乗り運賃とは、タクシーに乗車した際に最初に適用される料金のことです。地域やタクシー会社によって異なりますが、一般的には数百円程度に設定されています。 この初乗り運賃には、一定距離の走行料金が含まれており、例えば東京23区の場合、2キロメートルまでが初乗り運賃に含まれます。

では、加算運賃 とは一体何でしょうか？ これは、初乗り運賃で設定された距離を超えて走行した場合に、一定距離ごとに加算される料金のことです。 この加算距離も地域やタクシー会社によって異なりますが、一般的には数十メートルから数百メートルで設定されており、その都度、数十円から数百円の運賃が加算されていきます。

つまり、私たちが普段目にする100円単位で上昇するメーター料金は、この加算運賃が加算されていく様子なのです。 例えば、東京23区の場合、初乗り運賃の距離である2キロメートルを超えると、その後は約200メートルごとに100円が加算されていきます。

しかし、なぜこのような複雑な料金システムになっているのでしょうか？

その理由は、タクシー業界の安定的な経営と、利用者にとって公平な料金体系を両立させるためです。 タクシーは、バスや電車のように決まったルートを運行するのではなく、お客様の要望に応じて様々な場所へ移動します。そのため、単純に走行距離だけで料金を設定してしまうと、短距離利用の場合に割高になってしまったり、渋滞などで長時間走行した場合に運転手さんの収入が減ってしまうなどの問題が生じます。

そこで、初乗り運賃と加算運賃を組み合わせることで、短距離利用の場合でも一定の収入を確保しつつ、長距離利用の場合には走行距離に応じた料金をいただくことができるようになっているのです。

タクシーの運賃システムの裏には、このような工夫が凝らされているのですね。 次回タクシーに乗る際は、メーター料金の上がり方に注目してみると、今までとは違った視点でタクシーを利用できるかもしれません。