一時停止違反の点数は戻るのか?

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交通違反で一時停止違反を犯した場合は、通常、2点が加算されます。ただし、過去2年間に事故や他の違反がなければ、3か月間無事故無違反を継続することで、違反点数が失効となり、加算された2点が取り消されます。

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一時停止違反の減点、そしてその落とし穴:本当に点数って戻るのか?

日本の運転免許制度において、一時停止違反は2点の減点処分を受ける、比較的軽い違反と認識されているかもしれません。しかし、この「2点」という数字の裏には、多くのドライバーが誤解している重要なポイントが隠されています。「減点された2点は、無事故無違反期間を経過すれば戻る」という、巷に広く流布している認識です。 これは、半分正解であり、半分不正解と言えるでしょう。

確かに、過去2年間に事故や他の違反を犯していない場合、3ヶ月間無事故無違反を継続することで、違反点数は「消滅」します。この「消滅」という表現が、誤解を生む原因の一つです。 多くのドライバーは、まるで点数自体が帳消しになり、まるで何もなかったかのように履歴から削除される、と誤解しているのです。 しかし、実際にはそうではありません。

違反点数の「消滅」とは、行政処分としての点数の有効期限が切れることを意味します。言い換えれば、免許の更新や行政処分を受ける際に、その違反による減点が考慮されなくなる、ということです。 しかし、違反の記録自体は、警察のシステムに記録され続け、完全に消去される訳ではありません。

この違いは、非常に重要です。仮に、この3ヶ月間の無事故無違反期間中に新たな違反を犯した場合、過去の違反記録は復活するわけではありませんが、新たな違反点数が加算され、再び免許更新や行政処分に影響を与えます。 つまり、過去の一時停止違反は、あなたの運転履歴として存在し続けるのです。

さらに、点数消滅の条件である「過去2年間に事故や他の違反がない」という点にも注意が必要です。 これは、一時停止違反以外の違反や事故が、たとえ軽微なものであっても、この3ヶ月間の猶予期間をリセットしてしまうことを意味します。 例えば、一時停止違反から2ヶ月後に駐車違反を犯した場合、3ヶ月間のカウントはリセットされ、再び3ヶ月間の無事故無違反期間を経過しなければ、一時停止違反の2点は消滅しません。

そして、重要なのは「点数」と「違反記録」の区別です。 点数は行政処分に関するものであり、記録は事実としての違反履歴です。 前者は消滅しても、後者は残るのです。

保険会社は、この「違反記録」を参考に保険料を算出します。 点数消滅後であっても、過去の違反履歴は保険会社に伝わることがあり、保険料が高くなる可能性があります。 そのため、一時停止違反を軽く見て、その後も安全運転に意識を払わないと、思わぬ損失を被る可能性があるのです。

結局、「一時停止違反の点は戻るのか?」という問いの答えは、「行政処分としての点数は3ヶ月無事故無違反で消滅するが、違反記録自体は残る」となります。 安全運転を心がけ、点数だけでなく、自分の運転履歴全体を常に意識することが、免許保持者としての責任と言えるでしょう。 一時停止違反を単なる「2点の減点」と安易に捉えず、真摯に受け止め、再発防止に努めることが大切です。