通院期間が3ヶ月の慰謝料はいくらですか？

通院3ヶ月の慰謝料：相場と増額の可能性、そして注意点

交通事故や不当な行為によって心身に傷を負い、3ヶ月間通院を余儀なくされた場合、加害者側に対して慰謝料を請求することができます。しかし、「通院3ヶ月の慰謝料は〇〇万円」といった一概に言えるような明確な基準は存在しません。提示される慰謝料の額は、様々な要素によって大きく変動する可能性があるため、注意が必要です。

多くの場合、慰謝料の算定基準として用いられるのは、以下の3つです。

1. 自賠責保険基準: 最も低い基準であり、自動車損害賠償責任保険によって支払われる最低限の補償額を算出するために用いられます。
2. 任意保険基準: 保険会社が独自に定めている基準で、自賠責保険基準よりは高くなる傾向がありますが、弁護士基準（裁判基準）よりは低いことが多いです。
3. 弁護士基準（裁判基準）: 過去の判例に基づいて算出される最も高額な基準であり、弁護士に依頼した場合や裁判になった場合に適用される可能性が高くなります。

冒頭で触れた「約53万円」という金額は、多くの場合、この弁護士基準（裁判基準）に基づいて算出された金額です。しかし、これはあくまで目安であり、実際の慰謝料額は個々のケースによって異なります。

慰謝料額を左右する主な要素:

• 怪我の程度: 怪我の程度が重いほど、慰謝料は高くなる傾向があります。
• 後遺症の有無: 後遺症が残ってしまった場合、後遺障害慰謝料が別途請求できる場合があります。
• 通院頻度: 通院頻度が少ない場合、慰謝料が減額される可能性があります。
• 被害者の年齢や職業: 被害者の年齢や職業、社会的地位なども慰謝料額に影響を与えることがあります。
• 加害者の過失割合: 加害者の過失割合が大きいほど、慰謝料請求が認められやすくなります。

慰謝料を増額させるためにできること:

• 医師の指示に従い、適切な治療を受ける: 治療を中断したり、自己判断で通院をやめたりすると、慰謝料が減額される可能性があります。
• 治療経過を記録する: 痛みや不調の内容、治療内容などを詳細に記録しておくことで、慰謝料請求の際に有利になることがあります。
• 弁護士に相談する: 弁護士は、個々のケースに合わせた適切な慰謝料額を算出し、交渉を代行してくれます。

注意点:

• 示談交渉は慎重に: 保険会社から提示された慰謝料額を鵜呑みにせず、弁護士に相談するなどして、適切な金額かどうかを確認しましょう。
• 時効に注意: 慰謝料請求には時効があります。交通事故の場合は、原則として損害発生時から3年以内、不当な行為の場合は、損害および加害者を知った時から3年以内です。

通院3ヶ月という期間は、心身ともに大きな負担となるはずです。適切な慰謝料を受け取り、少しでも心の傷を癒すためにも、専門家である弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士に相談することで、慰謝料だけでなく、治療費や休業損害など、様々な損害賠償請求についてもアドバイスを受けることができます。一人で悩まず、まずは専門家の意見を聞いてみましょう。