個人情報に該当しない例は?

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単一の情報では個人を特定できない場合があります。たとえば、生年月日や電話番号などの情報がそれ自体では特定の個人を識別しないことがよくあります。ただし、複数の情報が組み合わされると、個人を特定できる可能性があります。

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個人情報に該当しない例:断片的な情報とプライバシーのジレンマ

インターネット時代において、個人情報の保護はますます重要な課題となっています。しかし、「個人情報」の定義は曖昧で、一見無害な情報であっても、状況によっては個人を特定できる可能性を秘めているため、注意が必要です。本稿では、単独では個人を特定できないと考えられる情報の例を挙げ、それらがどのようにリスクとなりうるのかを解説します。

まず、先に述べた通り、単一の情報だけでは個人を特定できないケースは多く存在します。例えば、「男性、30代、東京都在住」という情報は、何百万もの人々に当てはまる可能性があり、特定の個人を指し示すものではありません。同様に、「趣味が読書」や「好きな食べ物がラーメン」といった情報も、非常に一般的なものであり、個人識別情報としては不十分です。また、「血液型がA型」や「身長が170cm」といった身体的特徴も、個人の特定には至らないでしょう。これらは、個々では無害な情報であり、個人情報保護法の対象外と捉えられることが多いです。

しかし、これらの断片的な情報が複数組み合わさることで、状況は一変します。例えば、「男性、30代、東京都杉並区在住、趣味が読書、好きな食べ物がラーメン、血液型がA型、身長170cm、会社員」という情報が公開された場合、特定の個人に絞り込まれる可能性が高まります。特に、地理的な情報(東京都杉並区)や職業(会社員)といった、比較的限定的な情報が加わることで、個人を特定できる確率は飛躍的に上昇します。

さらに、一見無害な情報であっても、他の情報源と組み合わせることで、個人を特定できる場合があります。例えば、「好きなアーティストがX」という情報は、単独では個人を特定できません。しかし、この情報が、SNSの投稿やブログ記事と紐づくと、その人物の友人関係や活動範囲など、より詳細な情報が推測できる可能性があります。結果として、個人を特定できるだけの情報が得られる可能性も否定できません。

重要なのは、個々の情報の「危険性」ではなく、情報の「組み合わせ」です。一見安全に見える断片的な情報も、他の情報と結びつくことで、容易に個人を特定できる「個人情報」へと変貌する可能性があるのです。そのため、インターネット上に情報を公開する際には、たとえ単独では無害な情報であっても、慎重に検討する必要があります。公開する情報が、他の情報と組み合わせることで個人を特定できるリスクを含んでいないか、常に意識することが重要です。

結論として、個人情報に該当しない情報の判断は、個々の情報だけでなく、その情報が他の情報とどのように関連付けられる可能性があるかという観点から総合的に判断する必要があります。プライバシーを守るためには、情報公開の際に、常にこの点を意識し、慎重な行動をとることが不可欠です。 インターネット上の情報発信は、一度公開された情報は完全に削除できない可能性も考慮に入れ、責任ある行動を心がけましょう。