年収がいくら以上だと扶養に入れない？

年収いくら以上で扶養に入れない？ パートナーの働き方と家計への影響

共働き世帯が増える中、パートナーの収入と扶養の関係は家計にとって重要なポイントです。特に「年収130万円の壁」という言葉はよく耳にするものの、その実態や影響について正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。この記事では、扶養の基準、130万円を超えた場合の影響、そして賢い働き方について詳しく解説します。

まず、大前提として「扶養」には大きく分けて「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。

1. 税法上の扶養（配偶者控除・扶養控除）

配偶者控除・扶養控除を受けるためには、扶養親族の年間合計所得金額が48万円以下である必要があります。（令和5年分以降）ただし、給与収入のみの場合は給与所得控除額が考慮され、130万円以下であれば概ねこの条件を満たします。 この130万円は、あくまで給与収入のみの場合の目安です。パートやアルバイト以外に、株の配当金や不動産収入など他の所得がある場合は、それらも合計所得金額に含まれるため注意が必要です。また、青色申告特別控除を受けている場合は、控除額によっては130万円を超えていても扶養控除の対象となる可能性があります。

2. 社会保険上の扶養（健康保険・年金保険）

健康保険の被扶養者になるには、年間収入が130万円未満（かつ、労働時間が週20時間未満）であることが条件です。年金保険の第3号被保険者となる条件も同様です。 130万円を超えると、自分で国民健康保険に加入し、国民年金を支払う必要があります。会社員である配偶者の扶養から外れることで、保険料の負担が増加します。

130万円の壁を超えた場合の影響

130万円を超えると、税金や社会保険料の負担が増加するだけでなく、その他にも影響があります。

• 世帯収入の増加による児童手当の減額・支給停止: 世帯収入によっては、児童手当の受給額が減額、あるいは支給が停止される場合があります。
• 住民税の発生: 住民税は、前年の所得に基づいて課税されます。130万円を超えると、翌年度から住民税の納付が必要になります。

賢い働き方とは？

扶養内で働くか、それとも130万円を超えて働くか、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身にとって最適な働き方を選択することが重要です。

• 扶養内で働くメリット: 税金や社会保険料の負担がなく、家事や育児との両立もしやすい。
• 扶養内で働くデメリット: 収入が限られるため、キャリアアップや経済的な自立が難しい。
• 130万円を超えて働くメリット: 収入が増え、経済的な余裕が生まれる。キャリアアップの機会も広がる。
• 130万円を超えて働くデメリット: 税金や社会保険料の負担が増加する。家事や育児との両立が難しくなる場合もある。

「130万円」という数字にとらわれず、将来のライフプランやキャリアプランを考慮し、家族でよく話し合って働き方を決めることが大切です。また、税金や社会保険制度は複雑なため、必要に応じて税務署や市区町村役場、社会保険労務士などに相談することをお勧めします。それぞれの状況に合わせた適切なアドバイスを受けることで、より安心して働くことができます。