来客者が上座と下座のどちらに座るべきですか？

来客時、上座と下座、どちらに座っていただくのが正解？ 意外と知らない席次のマナー

ビジネスシーンや改まった集まりで、来客をどこに座らせるべきか悩んだ経験はありませんか？ 上座・下座といった言葉は知っていても、実際にどのような状況で、どのように判断すべきか、自信を持って答えられる人は意外と少ないかもしれません。

原則として、お客様や目上の人には「上座」に座っていただくのがマナーです。これは、相手への敬意と歓迎の気持ちを示すための最も基本的なルールと言えるでしょう。

では、具体的に「上座」とはどこを指すのでしょうか？

一般的には、部屋の入り口から最も遠い、奥の席が上座とされます。これは、入り口から遠い席ほど落ち着いて過ごせる、つまり「より良い席」であるという考え方に基づいています。また、部屋全体を見渡せる位置であることも、上座とされる理由の一つです。

一方、「下座」は、お客様をもてなす側が座る席です。入り口に近く、出入りがしやすい位置にあることが多いです。下座に座ることで、お客様の状況にすぐに気づき、対応できるというメリットがあります。

しかし、状況によっては例外も存在します。

例えば、以下のようなケースが考えられます。

• 窓からの眺めが良い席: 上座よりも窓からの眺めが良い席がある場合は、その席をお客様に勧める方が喜ばれることがあります。
• 部屋の構造: 部屋の構造によっては、入り口から最も遠い席が必ずしも「落ち着ける席」とは限りません。騒音が気になる場所や、空調が直接当たる場所などは、避けた方が良いでしょう。
• 参加者の関係性: 親しい間柄であれば、かしこまった席次にこだわる必要はありません。むしろ、リラックスして会話できるような席順を考慮する方が、より良い時間になるでしょう。
• 高齢者や体の不自由な方: 出入りがしやすいように、下座に近い席を勧めるなど、相手の状況に合わせた配慮が必要です。
• 会議室などの場合: プロジェクターが見やすい席や、資料を広げやすい席など、会議の目的に合わせた席を優先する場合があります。

重要なのは、相手への配慮の気持ちを形にすることです。

形式的なルールに固執するのではなく、状況に応じて柔軟に対応することが、スマートなもてなしに繋がります。迷った場合は、正直に「どちらにお座りになりますか？」と相手に尋ねるのも、一つの方法です。

最後に、席次を決める際に意識したいポイントをまとめます。

• 相手への敬意と歓迎の気持ちを込める。
• 部屋の構造や環境、参加者の状況を考慮する。
• 形式的なルールに囚われすぎず、臨機応変に対応する。
• 迷った場合は、相手に確認する。

これらのポイントを踏まえ、状況に合わせた最適な席次で、お客様を心地よくお迎えしましょう。席次は、ただの形式ではなく、相手への思いやりを示す大切なコミュニケーションツールなのです。