熱 何度になったら救急車？

高熱が出たら要注意！いつ救急車を呼ぶべきか？

高熱は、私たちの体が感染症や炎症と闘っているサインです。多くの場合、適切な休息と水分補給で回復しますが、時に命に関わる事態を招く危険性も秘めています。では、一体何度になったら救急車を呼ぶべきなのでしょうか？明確な数値だけで判断するのは危険であり、熱以外の症状も考慮することが重要です。本記事では、高熱時の対応と救急車を呼ぶべきサインについて詳しく解説します。

まず、体温計の数値に一喜一憂する前に、覚えておいていただきたいのは、体温計の種類や測定方法によって数値に多少の誤差が生じる可能性があるということです。脇の下、口の中、耳の中など、測定部位によっても数値は変化します。そのため、正確な体温を把握するために、同じ測定方法を繰り返し、複数の測定値を平均値として考えることが大切です。

一般的に、38℃以上を「高熱」と分類しますが、この数値だけで判断すべきではありません。重要なのは、熱の高さだけでなく、熱に伴う症状です。38℃でも、意識障害や呼吸困難、強い吐き気や嘔吐、激しい頭痛などを伴う場合は、緊急性を要する可能性が高いです。逆に、39℃以上でも、元気に過ごせている場合は、必ずしも緊急事態とは言えません。しかし、高熱が長時間続く場合、または症状が悪化していく場合は、注意が必要です。

では、具体的にどのような症状が出たら救急車を呼ぶべきでしょうか？

• 41.5℃以上の超高熱： これは危険信号です。このレベルの高熱は、脳に深刻なダメージを与える可能性があり、意識障害、けいれん、呼吸困難などを引き起こすことがあります。一刻も早く医療機関の対応が必要です。迷わず救急車を呼びましょう。
• 意識障害： 意識がもうろうとしたり、呼びかけに反応しなくなったり、会話が困難になったりする場合は、すぐに救急車を呼びましょう。これは、脳の機能が低下している可能性を示唆しています。
• けいれん（痙攣）： 高熱によってけいれんを起こすこともあります。けいれんは脳への負担が大きく、後遺症が残る可能性もあるため、すぐに救急車を呼び、専門医の診察を受ける必要があります。
• 呼吸困難： 呼吸が苦しく、息切れが激しい場合は危険です。これは、肺炎や敗血症などの重篤な状態を示している可能性があります。
• 強い吐き気や嘔吐： 繰り返し激しい嘔吐を繰り返す場合は、脱水症状を起こしている可能性があります。特に、嘔吐物に血が混じっている場合は、緊急性の高い状態です。
• 首の硬直： 首を動かすのが困難で、強い痛みを伴う場合は、髄膜炎の可能性があります。
• 意識レベルの低下と呼吸の浅さ、または頻脈: これらの症状は敗血症性ショックの兆候です。これは命に関わる緊急事態なので、直ちに救急車を要請しましょう。
• 乳幼児の高熱と発疹： 乳幼児の場合、高熱と発疹が同時に現れると、重篤な感染症の兆候である可能性があります。迅速な対応が不可欠です。

救急車を呼ぶ前に…

救急車を呼ぶ前に、患者の状態を落ち着かせ、体温を正確に測定し、症状を詳しくメモしておきましょう。救急隊員に状況を正確に伝えることで、迅速で適切な対応が期待できます。

高熱は必ずしも緊急事態を意味するわけではありませんが、軽視することはできません。上記のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関に相談するか、救急車を呼ぶことを強くお勧めします。早期の対応が、重篤な状態の悪化を防ぎ、回復を早めることにつながります。ご自身の判断に迷う場合は、躊躇せず医療機関に相談してください。 大切なのは、患者の状態を正確に把握し、適切な対応をすることです。