相手に送ってはいけない花は？

相手への気持ちを込めて贈る花。しかし、せっかくの贈り物も、相手にとって不快なものであれば、真意は伝わりません。花にはそれぞれに意味やイメージが込められており、状況や相手によっては避けた方が良い種類が存在します。贈り物として、相手に送ってはいけない花、そしてその理由を詳しく見ていきましょう。単に「縁起が悪い」というだけでなく、文化的な背景や、受け取る側の状況を考慮することで、より適切な贈り物選びが可能になります。

まず、最も避けられるべき花の一つが菊です。日本では古くから、菊は葬儀や法要などで使われる花として認識されており、特に白い菊は故人の冥福を祈る意味合いが強く、生花として贈ることは弔意を表す行為と受け取られる可能性が高いです。弔事以外での贈答には全くふさわしくありません。弔意を伝えたい場合を除き、菊を贈ることは控えるべきです。

次に注意すべきは鉢植えの花です。特に、病気療養中の方や、高齢の方への贈り物として鉢植えは避けた方が賢明です。これは、「根付く」という表現から、病気や不幸が「根付く」ことを連想させるという理由からです。相手を励ましたい気持ちから贈るとしても、誤解を与えかねません。元気づけたいのであれば、切り花の方が適切でしょう。

新築祝いなどのお祝いの場では、赤い花を選ぶ際にも注意が必要です。特に、濃い赤色の花は、火事を連想させるため、縁起が悪いとされています。お祝いの場では、明るい色合いの花を選び、喜びを分かち合う気持ちを表現することが重要です。例えば、ピンクやオレンジなどの暖色系、あるいは白や淡い黄色の花などが無難でしょう。

アジサイも、贈り物としてはやや注意が必要な花です。アジサイは、色の変化が激しく、また花持ちもそれほど良くないため、「不安定」「移り気」といったイメージを持たれる可能性があります。もちろん、アジサイを好む方もいらっしゃるでしょうが、相手への配慮を考えると、贈り物としては他の花を選ぶ方が無難と言えます。特に、大切な関係を築き始めている相手への贈り物には、より安定感があり、長く楽しめる花を選ぶ方が良いでしょう。

また、母の日の白いカーネーションも、注意が必要です。カーネーションは母の日の定番の花ですが、白いカーネーションは故人を偲ぶ意味合いを持つため、生きた母親への贈り物としては避けられた方が良いでしょう。母の日の贈り物であれば、ピンクや赤のカーネーション、あるいは他の花を選ぶ方が、気持ちも伝わりやすいでしょう。

以上のように、花にはそれぞれに込められた意味やイメージがあります。相手への気持ちを表す贈り物として花を選ぶ際には、その花が持つ意味合いを理解し、相手にとって不快な思いを与えないよう、細心の注意を払うことが大切です。贈る相手、贈る状況、そして相手の好みをしっかりと考慮し、より適切な花を選ぶことで、より深い感謝や祝福の気持ちが伝わるでしょう。 単なる花の美しさだけでなく、その奥にある意味や文化的な背景を理解することで、より洗練された贈り物選びが可能になります。