着物で着てはいけない色は?

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着物選びでは、白や赤、黒、金といった目立つ色は避け、周囲の雰囲気を考慮した、より落ち着いた色合いの着物を着用しましょう。 派手な色は慶弔事など、特別な場所以外では場違いになりがちです。 上品で控えめな色使いが、着物の美しさを一層引き立てます。
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着物、日本の伝統衣装は、その繊細な美しさや奥深い文化を反映した、特別な装いです。着物を着る機会に恵まれた時、多くの人が「どんな色を選べば良いのか?」と迷うのではないでしょうか。特に、白や赤、黒、金といった、一見華やかで目を引く色は、実は着物の選び方において注意が必要な色なのです。単に「派手だから避ける」というだけでなく、その背景にある日本の文化やマナーを理解することで、より深く着物の魅力を堪能することができます。

この記事では、着物で着てはいけない色、というよりは、着る際に配慮すべき色について、具体的な理由と共に解説します。 「絶対にダメ!」という絶対的な禁止事項はありませんが、TPOを弁え、周囲への配慮を欠かさないことが、着物を着る上での重要なエチケットと言えるでしょう。

まず、白は、古くから神聖な色とされ、特に重要な儀式や神事に用いられてきました。そのため、日常的に白の着物を着ることは、場違いと捉えられる可能性があります。冠婚葬祭においても、白は喪服の色として認識されているため、慶事にはふさわしくありません。 ただし、白地に柄が入った着物であれば、比較的自由に着用できます。柄によって印象も大きく変わるため、全体的なデザインを考慮することが大切です。

赤は、慶事の色として認識されていますが、鮮やかな赤の着物は、フォーマルな場以外では少し派手すぎる印象を与えてしまうかもしれません。 特に、日常の街歩きやカジュアルな集まりなどでは、周囲の雰囲気と調和しない可能性があります。より落ち着いた赤、例えばエンジや朱色などであれば、より幅広いシーンで着用できるでしょう。

黒も、喪服の色として知られていますが、黒地に金や銀などの柄が入った着物であれば、格式高い場にも着用できます。しかし、無地の黒着物は、やはり避けたい色の一つです。

金は、豪華絢爛なイメージから、特別な場やフォーマルな機会にふさわしい色です。しかし、日常着としては、やはり派手すぎる印象を与えがちです。金糸を使った刺繍や織りなど、控えめに使用されている着物であれば、問題ありませんが、金色の着物を中心とした装いは、避けましょう。

これらの色以外にも、着物の色選びには、季節や時間、場所といった様々な要素を考慮する必要があります。例えば、夏の着物には涼しげな色、冬の着物には温かみのある色を選ぶのが一般的です。また、昼間は明るい色、夜は落ち着いた色を選ぶなど、時間帯に合わせた選択も重要です。さらに、訪問する相手や場所の雰囲気に合わせた色を選ぶことも大切です。

結局のところ、「着てはいけない色」という明確な線引きは難しいです。大切なのは、着物を着る目的、場所、そして周囲への配慮です。 上品で控えめな色使いを心がけ、その場にあった着こなしをすることで、着物の美しさはさらに際立ち、着る人の魅力も引き立ててくれるでしょう。 着物を着る機会があれば、色選びにじっくりと時間をかけて、心に残る一日にしてください。