脱水症状で病院に行くべき症状は？

脱水症状：見過ごせない危険信号と病院受診の判断基準

脱水症状は、体内の水分と電解質のバランスが崩れた状態であり、放置すると深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。軽度の脱水症状であれば、自宅での水分補給で改善が見込めますが、症状が重篤な場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

では、どのような症状が現れたら、病院を受診するべきなのでしょうか？単なる喉の渇きや倦怠感といった症状だけでは、判断が難しいこともあります。以下に、特に注意すべき症状と、受診を検討するべき具体的な状況をまとめました。

危険なサイン：一刻も早く受診を

• 意識レベルの低下: 意識が朦朧とする、呼びかけに応じない、または完全に意識を失っている場合は、緊急性の高い状態です。脳への血流が著しく低下している可能性があり、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。
• 激しい嘔吐や下痢が止まらない: 経口摂取が困難なほどの嘔吐や下痢が続く場合、脱水症状は急速に悪化します。体内の水分と電解質が失われ続け、自宅での水分補給だけでは対応しきれません。
• 呼吸困難: 脱水により血液量が減少し、酸素供給が滞ると、呼吸が浅く速くなる、息苦しさを感じるなどの症状が現れることがあります。特に、心臓や肺に疾患がある場合は、注意が必要です。
• ひどい頭痛や強い吐き気: 単なる頭痛や吐き気ではなく、激しい痛みを伴う場合や、繰り返し嘔吐してしまう場合は、脱水症状が重症化している可能性があります。
• けいれん: 電解質バランスの著しい乱れは、筋肉の異常な収縮（けいれん）を引き起こすことがあります。特に、乳幼児や高齢者の場合は、注意深く観察する必要があります。

注意が必要な症状：早めの受診を検討

• 強い口渇感が持続する: 水分を摂取しても口渇感がなかなか解消されない場合は、体内の水分が著しく不足している可能性があります。
• 尿量の著しい減少: 通常よりも尿の量が明らかに少ない、または尿の色が濃い場合は、脱水症状のサインです。腎臓の機能が低下している可能性もあります。
• 皮膚の乾燥と弾力性の低下: 皮膚をつまんで離した時に、すぐに元に戻らない場合は、脱水症状によって皮膚の水分が失われている可能性があります。
• めまいや立ちくらみ: 急に立ち上がった際に、めまいや立ちくらみを頻繁に感じる場合は、脱水によって血圧が低下している可能性があります。
• 乳幼児の場合: おしっこの回数が減る、泣いても涙が出ない、皮膚が乾燥している、機嫌が悪い、ぐったりしているなどの症状が見られたら、脱水症状を疑い、早めに医療機関を受診してください。
• 高齢者の場合: 高齢者は、喉の渇きを感じにくく、脱水症状に気づきにくい傾向があります。上記のような症状に加えて、食欲不振、倦怠感、認知機能の低下などが見られたら、注意が必要です。

自宅でできること：予防と初期対応

軽度の脱水症状であれば、自宅での水分補給で改善が見込めます。

• 経口補水液の活用: スポーツドリンクよりも、電解質のバランスが整った経口補水液が効果的です。
• こまめな水分補給: 一度に大量の水を飲むのではなく、少量ずつこまめに水分を補給しましょう。
• 体を冷やす: 首の後ろや脇の下などを冷やすことで、体温の上昇を防ぎ、発汗を抑えることができます。

ただし、上記のような危険なサインが見られた場合は、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診することが重要です。特に、乳幼児や高齢者は、脱水症状が急速に悪化する可能性があるため、注意が必要です。

脱水症状は、適切な対応によって予防・改善することができます。日頃からこまめな水分補給を心がけ、体調の変化に注意することで、重症化を防ぎましょう。