30代で2人以上世帯の金融資産はいくらですか?

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30代で2人以上の世帯では、平均預貯金額が408万円、金融資産保有額が856万円であることが「家計の金融行動に関する世論調査」で明らかになりました。

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30代二人以上世帯、856万円の金融資産…その実態と不安要素

30代、二人以上世帯。人生における大きな転換期を迎える世代であり、子育てや住宅購入など、ライフイベントが目白押しです。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、この世代の平均金融資産保有額は856万円、預貯金は408万円とされています。一見すると安心できる数字に見えるかもしれませんが、その実態は複雑で、将来への不安を抱える世帯も少なくありません。

まず、この「平均」という数字に注意が必要です。平均値は一部の高額保有者によって引き上げられる傾向があり、中央値(データを小さい順に並べたとき、真ん中に位置する値)を見ることでより実態に近い姿が見えてきます。残念ながら、公表されているデータからは中央値を正確に把握することはできませんが、平均値との乖離を考えると、多くの世帯は856万円よりも少ない資産しか保有していない可能性が高いと考えられます。

さらに、この856万円という数字には、住宅ローンなどの負債は含まれていません。住宅を購入している世帯の場合、住宅ローン残高を差し引いた純資産額は大きく減少するでしょう。30代は住宅ローンを抱える世帯が多い世代であることを考えると、真の資産状況はさらに厳しいものとなる可能性があります。

では、なぜこのような状況になっているのでしょうか?

一つは、収入の伸び悩みです。長引くデフレ経済や非正規雇用の増加などにより、30代の収入は必ずしも右肩上がりとは限りません。子育て世代にとっては、教育費や生活費の増加も家計を圧迫する要因となります。

また、社会保障制度への不安も影響していると考えられます。年金制度の将来への不安や、医療費の増加など、将来への不安から貯蓄に励む世帯も少なくありません。しかし、低金利時代において、預貯金だけでは資産を増やすことは難しく、投資への関心は高まっているものの、リスクを懸念して投資に踏み切れない世帯も多いのが現状です。

さらに、ライフイベントの集中も大きな要因です。結婚、出産、住宅購入、子どもの教育…30代は人生における大きな支出が集中する時期です。これらのイベントに備えて貯蓄をする必要があり、資産形成に十分な資金を回すことが難しい世帯も多いのではないでしょうか。

では、30代二人以上世帯はどのように資産形成に取り組むべきでしょうか?

まず、家計の見直しは必須です。固定費の削減や、無駄な支出を抑えることで、投資に回せる資金を生み出すことができます。

次に、自分に合った投資方法を見つけることが重要です。NISAやiDeCoなどの制度を活用したり、投資信託や株式投資など、リスク許容度に応じた投資方法を選択することで、効率的に資産を増やすことができます。

そして、情報収集も欠かせません。金融に関する知識を深めることで、適切な投資判断を行うことができます。セミナーに参加したり、書籍を読んだり、インターネットを活用するなど、積極的に情報収集を行いましょう。

856万円という数字は、あくまでも平均値です。自分たちの家計状況をしっかりと把握し、将来のライフプランを踏まえた上で、計画的な資産形成に取り組むことが大切です。不安を抱えるだけでなく、専門家への相談なども活用しながら、未来への備えを万全にしていきましょう。