如何確診椎間盤突出？

椎間板ヘルニア、その痛みの原因と診断：自己チェックと医療機関への受診のポイント

腰痛に悩まされる人は多いですが、ただの腰痛と侮っていると、実は椎間板ヘルニアだったというケースも少なくありません。特に、腰痛に加えて足に走るような痛みや痺れがある場合、それは椎間板ヘルニアの可能性を示唆する重要なサインです。この記事では、椎間板ヘルニアの自己チェックポイントと、医療機関でどのように診断されるのかについて詳しく解説します。

1. 自己チェック：見逃してはいけないサイン

椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板というクッション材が、何らかの原因で飛び出し、神経を圧迫することで起こります。以下の症状に心当たりがある場合は、椎間板ヘルニアの可能性を考慮し、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

• 腰痛: 腰全体が重く痛む、または特定の場所がズキズキと痛む。
• 足への放散痛: 腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足先にかけて、電気が走るような鋭い痛みや痺れを感じる。特に、特定の姿勢や動作で症状が悪化する場合、ヘルニアによる神経圧迫の可能性が高い。
• 知覚異常: 足の一部、または広範囲で感覚が鈍くなったり、逆に過敏になったりする。
• 筋力低下: 足首や足の指を動かしにくい、または力が入りにくい。
• 排尿・排便障害: 頻尿、尿漏れ、便秘、または排尿・排便が困難になる。これらの症状は、重度の神経圧迫を示唆し、緊急性の高い状態です。

2. 診断：医療機関での検査と診断プロセス

自己チェックで椎間板ヘルニアの可能性が疑われる場合、整形外科や脳神経外科を受診し、専門医の診察を受けることが重要です。診断は、以下のプロセスを経て行われます。

• 問診: 医師は、あなたの症状、既往歴、生活習慣などを詳しく聞き取ります。特に、痛みの種類、場所、強さ、時間帯、悪化する姿勢や動作などを具体的に伝えることが重要です。

• 神経学的検査: 医師は、反射、感覚、筋力などをチェックし、どの神経が圧迫されているかを判断します。例えば、SLRテスト（下肢伸展挙上テスト）は、椎間板ヘルニアの診断に有効なテストの一つです。

• 画像検査: 症状や神経学的検査の結果から、椎間板ヘルニアが疑われる場合、CTまたはMRI検査が行われます。

  • CT検査: 骨の状態を詳しく確認できます。ヘルニアの程度や骨との関係性を把握するのに役立ちます。
  • MRI検査: 椎間板の形状や神経の圧迫状態をより詳細に確認できます。椎間板ヘルニアの診断において、最も有効な検査方法です。

3. 診断確定後の治療方針

画像検査の結果、椎間板ヘルニアと診断された場合、症状の程度やライフスタイルに合わせて治療方針が決定されます。主な治療法としては、保存療法と手術療法があります。

• 保存療法: 痛み止めの内服、湿布、リハビリテーション、神経ブロック注射などを行い、症状の緩和と機能回復を目指します。多くの場合、保存療法で症状は改善します。
• 手術療法: 保存療法で十分な効果が得られない場合や、神経圧迫が強く、日常生活に支障をきたす場合に検討されます。近年では、内視鏡を用いた低侵襲手術も普及しており、患者への負担を軽減することができます。

4. 早期発見と適切な治療の重要性

椎間板ヘルニアは、早期に発見し適切な治療を行うことで、症状の悪化を防ぎ、快適な日常生活を取り戻すことができます。腰痛や足への痛み、痺れなどの症状がある場合は、自己判断せずに、早めに医療機関を受診し、専門医の診察を受けるようにしましょう。

この記事が、椎間板ヘルニアの理解を深め、適切な行動につなげる一助となれば幸いです。