悪露が鮮血で続くのはなぜですか？

産後の出血、特に悪露と生理の区別、そして鮮血が長く続く原因については、多くの不安を抱える産後女性にとって重要な情報です。 先述の通り、産後の出血は最初は悪露として大量の血が流れ、鉄臭いのが特徴ですが、その後の経過や鮮血が続くケースについて、より詳細に解説します。

まず、悪露とは何かを改めて確認しましょう。悪露は、出産後に子宮内膜、血液、粘液などが排出されるもので、数週間かけて徐々に量が減り、色や状態も変化していきます。最初は鮮血が多く、その後徐々に赤褐色、茶色へと変化し、最終的には白色や黄色がかったおりものへと変わっていきます。この過程は個人差があり、数週間から数ヶ月かかる場合もあります。悪露の期間は、自然分娩と帝王切開でも異なり、帝王切開ではやや短くなる傾向があります。

では、産後1ヶ月を過ぎても鮮血が1週間以上続く場合、それは単なる悪露の延長なのでしょうか？ 多くの場合、これは生理の可能性が高いとされています。 しかし、生理と断定するには注意が必要です。 なぜなら、産後のホルモンバランスは非常に不安定であり、通常の生理サイクルがまだ回復していない可能性があるからです。 排卵が再開する時期も個人差が大きく、出産後すぐに生理が始まる人もいれば、数ヶ月かかる人もいます。

鮮血が続く原因として、以下のような可能性が考えられます。

• 子宮内膜の回復不全: 出産によって子宮内膜が完全に回復していない場合、出血が長引く可能性があります。これは、子宮収縮不全や、子宮内に残留物がある場合にも起こりえます。
• 子宮内膜炎: これは子宮内膜の感染症で、発熱や腹痛などの症状を伴う場合があります。鮮血が長く続くだけでなく、悪臭を伴うこともあります。
• 子宮頸部の裂傷: 分娩時に子宮頸部に裂傷が生じ、それが治癒する過程で出血が続くことがあります。
• その他疾患: まれなケースですが、子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患が原因となっている場合もあります。
• ホルモンバランスの乱れ: 産後はホルモンバランスが大きく変動するため、不正出血が起こりやすくなります。

鮮血が長く続く場合、自己判断せず、必ず医療機関を受診することが重要です。 医師は、超音波検査や血液検査などを行い、出血の原因を特定し、適切な治療を行います。 放置すると、感染症などのリスクが高まる可能性もあります。

特に、以下の症状がある場合は、すぐに医療機関に相談しましょう。

• 出血量が多い（大量の出血、血の塊が出るなど）
• 発熱がある
• 腹痛がある
• 悪臭のある出血がある
• 貧血症状（めまい、倦怠感など）がある

産後の身体は、出産という大きな負担を経験しています。 身体の変化には十分に注意を払い、不安な点があれば、迷わず医師に相談することが大切です。 早期発見、早期治療が、健康な回復を早める鍵となります。 自分自身の身体の声に耳を澄ませ、安心して産後生活を送るために、積極的に医療機関の力を借りましょう。