赤ちゃんの頭蓋内出血の症状は?

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新生児や乳幼児における頭蓋内出血は、外傷がなくても起こりえます。 発熱、持続的な不機嫌さ、嘔吐、嗜眠、顔色の悪化、そしてけいれんは、緊急の医療介入を要する重要な警告サインです。これらの症状に気づいたら、直ちに医師の診察を受けてください。早期発見が予後を大きく左右します。

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赤ちゃんの頭蓋内出血:見逃せないサインと症状

赤ちゃん、特に新生児や乳幼児は、私たち大人の想像以上に繊細な存在です。一見何でもないように見えても、実は深刻な病気が隠れている可能性があります。その一つが「頭蓋内出血」です。頭蓋内出血とは、頭蓋骨の内側で出血が起こることで、脳に様々な影響を及ぼす可能性のある危険な状態です。特に新生児や乳幼児の場合、外傷がなくとも発症するケースがあり、早期発見と適切な治療が非常に重要になります。

この記事では、赤ちゃんの頭蓋内出血の症状について詳しく解説し、保護者が注意すべき点、そして迅速な対応の必要性についてお伝えします。

頭蓋内出血の種類と原因

頭蓋内出血は、出血の場所や原因によっていくつかの種類に分けられます。新生児や乳幼児で多いのは、硬膜下出血、くも膜下出血、脳室内出血などです。

  • 硬膜下出血: 脳を覆う硬膜と脳の表面の間に出血が起こるもので、出産時の頭部への圧迫などが原因となることがあります。
  • くも膜下出血: くも膜と軟膜の間に出血が起こるもので、先天的な血管奇形などが原因となることがあります。
  • 脳室内出血: 脳の中心部にある脳室に出血が起こるもので、未熟児に多くみられます。

これらの出血は、出産時の外傷だけでなく、ビタミンK欠乏症、血液凝固異常などの要因も関係していると考えられています。

見逃せない!赤ちゃんの頭蓋内出血のサイン

頭蓋内出血の症状は、出血の場所や量、赤ちゃんの年齢によって様々です。新生児や乳幼児の場合、自分で症状を訴えることができないため、保護者が注意深く観察することが非常に重要です。以下に挙げる症状は、頭蓋内出血の可能性を示唆する重要なサインです。

  • 急激な変化に気づく: いつもの様子と比べて、急に元気がなくなったり、ぐったりしている場合は要注意です。
  • 頭を触られるのを嫌がる: 頭痛がある場合、頭を触られるのを嫌がることがあります。
  • 哺乳力の低下・嘔吐: 母乳やミルクを飲む力が弱くなったり、頻繁に吐く場合は、脳圧の上昇が原因となっている可能性があります。
  • 発熱: 原因不明の発熱も、頭蓋内出血のサインの一つです。
  • けいれん: 手足が突っ張ったり、体が硬直する発作は、緊急性の高い症状です。
  • 呼吸の変化: 呼吸が速くなったり、浅くなったり、不規則になる場合も注意が必要です。
  • 意識レベルの低下: 呼びかけに反応しなかったり、ぼーっとしている時間が長くなる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
  • 囟門(ひよめき)の膨隆: 赤ちゃんの頭頂部にある柔らかい部分(囟門)が膨らんでいる場合は、脳圧が上昇している可能性があります。
  • 顔色の変化: 顔色が青白くなったり、赤らんだりする場合も、異常のサインです。
  • 眼球運動の異常: 眼球が左右に揺れたり、一点を見つめたまま動かない場合は、脳神経に影響が出ている可能性があります。

これらの症状は、他の病気でも見られることがありますが、少しでも気になる点があれば、ためらわずに医療機関を受診することが大切です。特に、複数の症状が同時に現れた場合は、緊急性を要する場合があります。

早期発見・早期治療が鍵

頭蓋内出血は、早期に発見し適切な治療を行うことで、後遺症を最小限に抑えることができます。保護者は、赤ちゃんの些細な変化も見逃さず、異変を感じたらすぐに医師に相談しましょう。自己判断で様子を見たり、インターネットの情報だけで対処しようとせず、専門家の診察を受けることが重要です。

また、定期的な健診を受けることで、早期発見につながる可能性が高まります。特に未熟児や出産時に何らかのトラブルがあった赤ちゃんは、より注意深く経過観察を行う必要があります。

赤ちゃんの健康を守るためには、保護者の注意深い観察と迅速な対応が不可欠です。この記事が、頭蓋内出血の早期発見に役立ち、一人でも多くの赤ちゃんが健やかに成長できる一助となれば幸いです。