サイドブレーキをかける順番は?

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停車後、ブレーキペダルを踏み続けたままサイドブレーキを引くのが正しい手順です。これは、ブレーキペダルによる制動とサイドブレーキによる保持を併用し、万が一ペダルが戻った場合でも車両の静止状態を確実に維持するためです。 完全に停止してからサイドブレーキ操作を行うことで、安全性を高めます。
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サイドブレーキ、通称パーキングブレーキ。一見シンプルな操作ですが、その掛け方ひとつで安全性が大きく左右されます。 「停車したらサイドブレーキを引く」ことは誰でも知っていますが、本当に正しい手順で操作できているでしょうか?単に引くだけでなく、安全で確実な停車を確保するための手順、そしてその理由を詳しく解説します。

多くのドライバーは、停車後にサイドブレーキを引く際に、ブレーキペダルから足を離してからサイドブレーキを引くという行為を無意識に行っているかもしれません。しかし、これは必ずしも安全な方法とは言えません。 正しい手順は、停車後、ブレーキペダルを踏み続けたままサイドブレーキを引くことです。 この手順には、明確な理由があります。

まず第一に、車両の完全停止の確認です。ブレーキペダルを踏み続けていることで、車両が完全に停止していることを確認できます。坂道などでは、ブレーキペダルから足を離した瞬間に車両が僅かに動き出す可能性があります。このわずかな動きが、サイドブレーキが完全に効いていない状態であれば、車両の転がりにつながり、事故に発展する危険性も孕んでいます。ペダルを踏み続けることで、その危険性を確実に回避できます。

第二に、制動力の確保です。ブレーキペダルとサイドブレーキは、それぞれ異なる機構で車両を停止させます。ブレーキペダルは油圧ブレーキ、サイドブレーキは機械式ブレーキを用いています。 ペダルを踏み続けた状態でサイドブレーキを引くことで、油圧ブレーキによる制動とサイドブレーキによる保持の二重の安全装置を備えることになります。万が一、油圧ブレーキに何らかの不具合が生じ、ブレーキペダルが緩んで戻ったとしても、サイドブレーキがしっかりと車両を保持し、転がりを防止します。これは特に坂道駐車においては非常に重要です。

第三に、サイドブレーキの負担軽減です。 いきなりサイドブレーキのみで車両を保持しようとすると、サイドブレーキ機構に大きな負担がかかります。ブレーキペダルを踏み続けた状態であれば、車両の重量の大部分は油圧ブレーキが負担するため、サイドブレーキへの負担を軽減することができます。これは、サイドブレーキの寿命を延ばすことにも繋がります。 また、急な坂道などでサイドブレーキのみで保持しようとした場合、サイドブレーキがロックしにくくなったり、最悪の場合、ケーブルが切断する可能性も否定できません。

第四に、スムーズな操作性です。ブレーキペダルを踏んだ状態では、車両が静止しているため、サイドブレーキの操作がスムーズに行えます。 一方、ブレーキペダルから足を離した状態でサイドブレーキを引こうとすると、車両の微細な動きを感じ取りにくく、焦って強く引きすぎてしまう可能性があります。これは、サイドブレーキの破損や、操作ミスにつながるリスクを孕んでいます。

まとめると、停車後にサイドブレーキをかける際、ブレーキペダルを踏み続けたままサイドブレーキを引くという手順は、車両の完全停止の確認、制動力の確保、サイドブレーキの負担軽減、そしてスムーズな操作性の向上という、複数の安全上のメリットをもたらします。 わずかな手間ですが、この正しい手順を守ることで、事故やトラブルを未然に防ぎ、安全な運転を継続することができます。 安全運転は、日々の小さな習慣から生まれます。 ぜひ、今日からこの正しいサイドブレーキの掛け方を意識してみてください。