交差点では右折車と直進車の優先順位は?

9 ビュー
交差点では、原則として直進車が右折車よりも優先されます。そのため、右直事故が発生した場合、右折車の過失が大きいと判断されることが多いです。道路交通法第37条では、直進車の優先が明記されています。
コメント 0 好き

交差点における右折車と直進車の優先順位は、多くのドライバーにとって悩ましい問題です。一見単純なようで、実際には様々な状況が絡み合い、判断を難しくします。単に「直進車が優先」と一括りにできない複雑さを、道路交通法の規定や実際の交通状況を踏まえながら考察してみましょう。

まず大前提として、道路交通法第37条は「車両は、交差点に進入するときは、他の車両及び歩行者等に妨害を与えないようにしなければならない」と定めています。この条文から直接、直進車が優先と読み取れるわけではありません。しかしながら、交差点における交通の流れを円滑にするという観点から、一般的には直進車が優先されるという解釈が広く浸透しており、多くの判例でもこの解釈が支持されています。

具体的に、右折車が直進車と衝突した場合、右折車側に過失が問われることが多いのは事実です。これは、右折車は進行方向を大きく変更する必要があるため、直進車に十分な注意を払い、安全を確保する責任がより大きいと判断されるからです。直進車は、自分の車線内を直進する限り、周囲の車両の動きを予測し、対応する必要性は右折車に比べて少ないと言えるでしょう。

しかし、この「直進車が優先」という原則は、絶対的なものではありません。状況によっては、直進車にも責任が生じる場合があります。例えば、

  • 著しく速度超過していた直進車: 法定速度を大幅に超過し、右折車が十分に減速・停止する時間的余裕を与えなかった場合、直進車にも過失が認められる可能性があります。
  • 信号無視の直進車: 信号無視をして交差点に進入し、右折車と衝突した場合、直進車の責任は極めて大きくなります。
  • 右折車が十分な安全確認を行っていた場合: 右折車が、交差点に進入する前に十分な安全確認を行い、直進車の速度や距離を的確に判断した上で右折を開始し、それでも衝突した場合、直進車の速度や状況によっては、直進車にも過失が認められる可能性があります。
  • 視界不良の場合: 雨や霧など、視界不良の状況下では、直進車も右折車の動きを的確に予測することが困難になるため、お互いに注意を払う必要があります。

このように、交差点における右折車と直進車の優先順位は、状況によって大きく変動します。単なる「優先順位」の問題ではなく、双方が「相互に注意を払い、安全を確保する」という意識が不可欠です。

結論として、右折車は、直進車に対して常に安全確認を徹底し、十分な余裕を持って交差点に進入しなければなりません。直進車は、右折車の存在を常に意識し、安全な速度を維持する必要があります。 「直進車が優先」という原則を過信することなく、お互いを尊重し、安全運転を心がけることが、事故防止の最善策と言えるでしょう。 それぞれのドライバーが、道路状況を的確に判断し、安全な運転操作を行うことが、交差点での事故を減らすために最も重要なのです。