寝不足で運転するのは違法ですか？

寝不足運転は違法？ 危険な「居眠り運転」を防ぐために

現代社会は忙しく、睡眠時間を削って仕事やプライベートに時間を費やす人も少なくないでしょう。しかし、睡眠不足のままハンドルを握ることは、自分自身だけでなく、周囲の人々にとっても大きな危険を招きます。では、寝不足での運転は具体的にどのような法的リスクがあるのでしょうか？そして、どのように「居眠り運転」を防ぐことができるのでしょうか？

結論から言うと、明確に「寝不足運転」を罰する法律はありません。 しかし、道路交通法第66条には「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。ただし、酒気を帯びて正常な運転をすることができないおそれがないときを除く。」とあります。そして、この「正常な運転をすることができないおそれがある状態」には、アルコールの影響だけでなく、睡眠不足、疲労、薬の影響なども含まれます。 つまり、極度の睡眠不足で運転能力が低下している状態での運転は、道路交通法違反となる可能性があります。

警察官は、運転者の様子、運転操作、呼気検査などから総合的に判断し、正常な運転ができないおそれがあると認めれば、道路交通法違反として検挙することができます。違反した場合、免許停止や罰金などの処分を受ける可能性があります。

さらに、万が一事故を起こした場合、睡眠不足が原因と判断されれば、過失運転致傷罪や過失運転致死罪に問われる可能性も高まります。その場合、刑事罰だけでなく、高額な損害賠償を請求される可能性もあるため、決して軽視できる問題ではありません。

では、どのように「居眠り運転」を防ぐことができるのでしょうか？ いくつか具体的な対策を挙げてみましょう。

• 十分な睡眠時間を確保する: これは最も基本的な対策です。自分の生活リズムに合わせて、毎日7～8時間程度の睡眠をとるように心がけましょう。
• 運転前に仮眠をとる: 長距離運転や夜間運転の前には、15～20分程度の仮眠をとることで、集中力を取り戻すことができます。ただし、30分以上の仮眠は逆効果になる場合があるので注意が必要です。
• こまめな休憩をとる: 2時間ごとに休憩を取り、車外に出て軽いストレッチや深呼吸をすることで、眠気を覚ますことができます。サービスエリアや道の駅などを積極的に活用しましょう。
• カフェインを摂取する: コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインには、眠気を抑制する効果があります。ただし、過剰摂取は体に負担をかけるため、適量を守ることが大切です。
• 運転を交代する: 同乗者がいる場合は、運転を交代することで、疲労を分散させることができます。
• 眠気覚ましグッズを利用する: 市販されている眠気覚ましグッズ（ガム、タブレット、ドリンクなど）を利用するのも一つの方法です。ただし、効果には個人差があるため、過信は禁物です。

「少しぐらい大丈夫だろう」という安易な考えが、取り返しのつかない事故につながる可能性があります。自分自身と周囲の安全を守るためにも、睡眠不足での運転は絶対に避け、安全運転を心がけましょう。 運転前に自分の状態をよく確認し、少しでも不安があれば運転を控える勇気を持つことが大切です。 “安全はすべてに優先する” ということを常に意識して、快適なドライブを楽しみましょう。