横から追突で10体0になるのはどんな場合？

横から追突で10：0になるのはどんな場合？信号待ちで停止線に完全に停車中の車両に後続車が追突した場合、後続車の過失が100%となるケースが一般的です。しかし、現実には様々な状況があり、単純に「後続車の責任」と断言できないケースも存在します。本稿では、10：0（後続車100％過失）となる典型的なケースと、そうでないケース、そしてその判断基準について掘り下げて解説します。

10：0となる典型的なケース

• 安全な車間距離の不保持: これは最も一般的な原因です。どんなに速度が遅くても、前方の車両が急停止した場合に備え、安全な車間距離を確保することは運転手の義務です。これが守られていなかった場合、後続車の過失は問われます。特に信号待ちなど、停車を予測できる状況においては、十分な車間距離を保つことが強く求められます。
• 前方不注意: 運転中は常に前方の状況に注意を払う必要があります。スマホ操作や居眠り運転など、前方不注意によって追突事故を起こした場合、後続車の責任は極めて大きくなります。信号待ちの停車車両は容易に予測できる状況であり、前方不注意が顕著なケースでは10：0となる可能性が高いです。
• ブレーキ操作の不適切: 急ブレーキやブレーキの踏み間違いなど、適切なブレーキ操作が行われなかった場合も、後続車の過失が問われます。特に、乾燥路面や良好な路面状況下での追突事故は、ブレーキ操作に問題があった可能性が高いと判断される傾向があります。
• 速度超過: 法定速度や状況に応じた適切な速度で走行することは、安全運転の基本です。速度超過によって制動距離が伸び、追突事故を起こした場合、速度超過が過失割合に大きく影響します。

10：0とならないケース（減点要素となる可能性があるケース）

• 急ブレーキ: 前方の車両が、後続車にとって予測不可能な急ブレーキをかけた場合、後続車の過失割合は減る可能性があります。ただし、後続車が安全な車間距離を保っていれば、急ブレーキによる事故でも100％の責任を負うとは限りません。状況証拠やドライブレコーダーの映像など、客観的な証拠が重要になります。
• 異常な状況: 前方の車両が突然停止したり、故障で停車したりなど、後続車にとって予測困難な状況での追突事故の場合、後続車の過失割合は減る可能性があります。例えば、飛び出し事故などに巻き込まれた場合などが該当します。
• 後続車の疾病: 運転中に急病になったり、意識を失ったりした場合は、後続車の過失割合は大きく減る可能性があります。ただし、これは医師の診断書など、客観的な証拠が必要となります。
• 道路状況: 雨や雪など、路面状況が悪く、ブレーキが効きにくかった場合、後続車の過失割合は減る可能性があります。ただし、状況に応じて速度を落として走行するなどの安全運転義務は変わりません。

結論

横から追突で10：0になるケースは、後続車の安全運転義務違反が明確な場合です。安全な車間距離の確保、前方への注意、適切な速度、そして状況に応じた運転が、追突事故を予防する上で不可欠です。事故発生時には、警察への届出と、ドライブレコーダーや目撃証言などの証拠収集が重要になります。過失割合は、事故状況や証拠によって大きく変わるため、専門家への相談も検討すべきです。 事故を起こさないための予防策を講じ、安全運転を心がけることが何よりも大切です。