高速道路でハイビームを使うのは法律上どうなっていますか？

夜の高速道路、ハイビームは義務？状況に応じた使い分けが安全への鍵

夜間の高速道路、視界確保のためにハイビームを使うのが基本だと教習所で習った記憶がある方も多いのではないでしょうか。確かに、道路交通法上、夜間の走行時は原則としてハイビーム（走行用前照灯）を使用することが義務付けられています。しかし、状況によってはロービームに切り替える必要があり、その判断を誤ると法律違反になるだけでなく、重大な事故につながる可能性もあります。

では、具体的にどのような場合にロービームに切り替えるべきなのでしょうか？道路交通法第52条第2項には、次のように定められています。

「車両等は、夜間、道路にあるときは、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。車両等が、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、前照灯をつけているときは、灯火を減光する等他の交通を妨げないように注意しなければならない。」

この条文からわかるように、ロービームへの切り替えが必要となる主な状況は以下の2つです。

1. 対向車とすれ違う場合: ハイビームは非常に明るく、対向車のドライバーの視界を奪ってしまう可能性があります。対向車の接近に気づいたら早めにロービームに切り替え、安全なすれ違いを心がけましょう。
2. 先行車の直後を走行する場合: 先行車のバックミラーにハイビームが反射し、先行車のドライバーに眩惑感を与えてしまいます。特に車間距離が短い場合は、ロービームに切り替えることが必須です。

これらの状況に加え、道路照明が十分に明るい場所や、濃霧や豪雨などの悪天候時もロービームを使用する方が安全な場合があります。なぜなら、ハイビームは光が拡散しやすく、かえって視界を悪化させる可能性があるからです。

ハイビームとロービームの切り替えは、パッシングと呼ばれる合図にも使われます。先行車に道を譲ってもらいたい場合や、危険を知らせたい場合などに、短くハイビームを点滅させることで意思を伝えることができます。ただし、相手に誤解を与えないように、パッシングは必要最小限にとどめましょう。

高速道路での運転は、常に周囲の状況を把握し、適切な判断をすることが重要です。ハイビームとロービームの使い分けは、その中でも特に重要な要素の一つと言えるでしょう。周囲の車両や天候、道路状況などを考慮し、状況に応じた適切なライトを使用することで、安全で快適なドライブを実現しましょう。

最後に、法律や規則は改正されることがありますので、最新の情報を常に確認するように心がけましょう。安全運転を心がけ、楽しいドライブをお楽しみください。