入社時に年金番号は必要ですか？

入社時の年金番号提出：なぜ必要？提出を拒否できる？徹底解説

入社時、企業から基礎年金番号の提出を求められるのは、多くの方が経験することでしょう。しかし、その理由をきちんと理解している人は意外と少ないかもしれません。「言われたから出す」だけでなく、なぜ必要なのか、提出を拒否できるケースはあるのか、などについて詳しく解説します。

なぜ企業は基礎年金番号を求めるのか？

冒頭にもあるように、企業が基礎年金番号を求める最大の理由は、社会保険（厚生年金保険および健康保険）への加入手続きを行うためです。会社は、従業員を社会保険に加入させる義務を負っており、その手続きには従業員の個人情報、特に基礎年金番号が不可欠となります。

具体的には、以下の目的で使用されます。

• 加入状況の確認: 従業員が過去に年金制度に加入していたか、加入記録は正確か、などを確認します。重複加入を防ぎ、適切な年金記録を管理するためです。
• 年金記録の紐付け: 従業員の給与から天引きされる年金保険料が、個人の年金記録に正しく紐付けられるようにします。これにより、将来受け取る年金額が正確に計算されることにつながります。
• 各種手続きの簡略化: 退職後の国民年金への切り替え手続き、将来年金を受け取る際の手続きなどをスムーズに行うための基礎情報となります。

提出を拒否できるケースはあるのか？

原則として、社会保険加入の対象となる従業員は、基礎年金番号の提出を拒否することはできません。なぜなら、企業は法律に基づき、従業員を社会保険に加入させる義務があるからです。基礎年金番号は、その義務を果たす上で必要な情報となります。

ただし、例外的に提出を拒否できるケースも考えられます。

• すでに他の企業で社会保険に加入している場合: 例えば、複数の企業で働く場合、いずれか一つの企業で社会保険に加入していれば、他の企業で改めて加入する必要はありません。この場合、社会保険加入済であることを証明する書類（健康保険証など）を提出することで、基礎年金番号の提出を代替できる可能性があります。
• 個人情報保護の観点から慎重な取り扱いを求める場合: 基礎年金番号は重要な個人情報であるため、その取り扱いについて企業に確認することができます。どのような目的で使用されるのか、どのように管理されるのかなどを確認し、納得できない場合は、情報漏洩のリスクなどを考慮し、提出を再検討する余地があるかもしれません。ただし、その場合でも、社会保険加入の義務を果たすためには、何らかの代替手段を提示する必要があります。

もし基礎年金番号がわからない場合は？

基礎年金番号が記載された書類（年金手帳、基礎年金番号通知書など）が見当たらない場合は、以下の方法で確認することができます。

• 日本年金機構に問い合わせる: 氏名、生年月日、住所などを伝え、基礎年金番号を確認してもらうことができます。
• お近くの年金事務所で確認する: 本人確認書類（運転免許証など）を持参し、年金事務所で確認してもらうことができます。
• 勤務先に問い合わせる: 過去に年金に加入していた記録があれば、勤務先が基礎年金番号を把握している可能性があります。

まとめ

入社時の基礎年金番号の提出は、社会保険加入手続きのために必要不可欠です。特別な事情がない限り、速やかに提出するようにしましょう。もし提出を拒否したい場合は、その理由を明確にし、企業と十分に話し合うことが大切です。基礎年金番号は大切な個人情報ですので、取り扱いには十分注意し、不明な点があれば、日本年金機構や年金事務所に相談することをおすすめします。