救急車 音鳴らさないで来てほしい？

救急車に「サイレンを鳴らさないで来てほしい」と頼めますか？ その背景と知っておくべきこと

緊急時に救急車を呼ぶ際、「サイレンを鳴らさないで来てほしい」と考える方もいるかもしれません。特に、周囲に知られたくない事情がある場合や、騒音を避けたいと考えるのは自然なことです。しかし、結論から言うと、基本的に救急車はサイレンを鳴らして走行します。

なぜサイレンを鳴らす必要があるのか？

緊急車両である救急車は、道路交通法によって緊急走行が認められています。緊急走行とは、赤色灯を点灯させ、サイレンを鳴らすことで、一般車両に対して優先的な通行を求める行為です。これは、一刻を争う状況で、少しでも早く患者のもとに到着し、適切な処置を行うために必要不可欠な措置です。

サイレンの音は、周囲の車両や歩行者に対して、救急車が接近していることを知らせる重要な役割を果たします。これにより、周囲は救急車に道を譲り、安全な走行を支援することができます。また、サイレンは、病院側にも患者の到着を事前に知らせ、受け入れ準備を整えるための合図となります。

例外はないのか？

原則として、救急車は緊急走行時にサイレンを鳴らしますが、状況によっては例外的にサイレンを鳴らさずに走行する場合があります。例えば、

• 患者が安定しており、緊急性が低いと判断された場合： この場合、緊急走行の必要がないと判断され、サイレンを鳴らさずに走行することがあります。ただし、これは救急隊員の判断に委ねられます。
• 近隣住民への配慮が必要な場合： 深夜や早朝など、住宅街を走行する際に、騒音を最小限に抑えるために、一時的にサイレンの音量を下げる、あるいは停止することがあります。しかし、これはあくまで一時的な措置であり、緊急時には再度サイレンを鳴らす必要があります。

大切なことは？

「サイレンを鳴らさないでほしい」という要望は理解できますが、救急隊員は、患者の命を救うことを最優先に考えて行動しています。サイレンの使用は、そのための重要な手段の一つであり、法的にも義務付けられています。

もし、救急車を呼ぶ際に、周囲に知られたくない事情がある場合は、救急隊員に正直に相談してみましょう。状況によっては、可能な範囲で配慮してくれるかもしれません。しかし、緊急時には、サイレンの使用にご理解とご協力をお願いいたします。

私たちにできること

救急車のサイレンが聞こえたら、落ち着いて、速やかに道を譲りましょう。安全な場所に停車し、救急車がスムーズに通行できるよう協力することが、救命活動を支援することにつながります。

救急車のサイレンは、誰かの命を救うための音です。ご理解とご協力をお願いいたします。