クレジットカードの手数料を請求するのは違法ですか？

クレジットカード決済手数料請求：違法性の詳細と背景、消費者側の対策

クレジットカード決済を利用する際、まれに「手数料」を上乗せして請求されることがあります。これは本当に違法なのでしょうか？ 結論から言うと、原則として違法です。しかし、その背景には複雑な事情も存在します。

原則：手数料請求は加盟店規約違反であり、違法

多くの場合、クレジットカード会社と加盟店（店舗やオンラインショップなど）の間で交わされる加盟店規約には、クレジットカード決済手数料を顧客に転嫁することを禁止する条項が含まれています。これは、カード会社が顧客に安心してクレジットカードを利用してもらうための重要なルールです。手数料を顧客に転嫁すると、クレジットカードの利用を抑制し、現金払いを推奨することになり、カード会社のビジネスモデルを阻害する可能性があります。

違反した場合、カード会社は加盟店に対して改善を求めたり、最悪の場合は加盟店契約を解除したりすることがあります。加盟店契約が解除されれば、クレジットカード決済が利用できなくなり、事業運営に大きな影響を与えるでしょう。

なぜ手数料を請求する加盟店が存在するのか？

手数料請求が違法であるにもかかわらず、一部の加盟店が手数料を請求するのは、主に以下の理由が考えられます。

• 手数料負担の軽減： クレジットカード決済には、加盟店がカード会社に支払う手数料が発生します。特に小規模事業者にとって、この手数料は経営を圧迫する要因となることがあります。
• 知識不足： 加盟店規約の内容を十分に理解していない場合や、過去の慣習から手数料を請求してしまうケースも考えられます。
• 誤解： 一部の事業者は、デビットカードや電子マネーなど、クレジットカードとは異なる決済手段と混同している場合があります。

消費者側の対策

もし、クレジットカード決済時に手数料を請求された場合は、以下のような対応を検討しましょう。

1. 加盟店に確認： まずは、なぜ手数料が請求されたのか、加盟店に理由を確認しましょう。誤解や知識不足が原因である可能性もあります。
2. カード会社に連絡： 加盟店の説明に納得できない場合や、改善が見られない場合は、カード会社に連絡しましょう。カード会社は、加盟店に対して適切な指導を行い、違反行為の是正を促します。
3. 証拠の保管： 手数料を請求された際のレシートや明細書など、証拠となるものを保管しておきましょう。カード会社への報告時に役立ちます。
4. 利用を控える： 手数料を請求する加盟店でのクレジットカード利用は、できる限り控えましょう。他の決済手段を利用するか、別の加盟店を利用することを検討しましょう。

消費者の賢い選択が、より良いクレジットカード決済環境を築く

クレジットカード決済手数料の請求は、消費者の権利を侵害する行為であり、決して容認されるべきではありません。しかし、消費者が積極的に情報収集を行い、違反行為に対して適切な対応をとることで、より健全なクレジットカード決済環境を築き、安心して利用できるようになるでしょう。

補足:

一部、法律や契約内容によっては例外が存在する可能性もあります。例えば、特定の国際ブランドのカード決済において、特別な条件下で手数料が認められるケースも存在します。しかし、一般的には、顧客への手数料転嫁は認められていないと考えて良いでしょう。