住民税は返ってくるものなの?

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住民税は、前年の所得に基づいて計算され、翌年に納付するため、基本的に還付はありません。確定申告で所得税の還付を受けることはありますが、住民税は仕組みが異なり、過払いがあった場合でも自動的に調整されるため、申告による還付はありません。

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住民税は本当に「返ってこない」の? 仕組みと例外を徹底解説

住民税は、私たちの生活を支える大切な税金の一つ。しかし、所得税のように確定申告をすることで「還付」を受けられるイメージがないため、「住民税は払いっぱなし」と思っている方も少なくないのではないでしょうか。

確かに、住民税は前年の所得に基づいて計算され、翌年に納付するという仕組み上、所得税のような「還付」という形では戻ってくることは基本的にありません。確定申告で所得税が戻ってくるのは、払いすぎた税金を精算する意味合いが強いですが、住民税は基本的に過払いが発生しにくい仕組みになっているからです。

しかし、「絶対に還付されない」と言い切ってしまうのは早計です。実は、住民税も状況によっては「調整」という形で、実質的に払いすぎた分が戻ってくるケースがあるのです。

1. 調整の仕組み:超過分の調整と税額控除

住民税の調整は、主に以下の2つの方法で行われます。

  • 超過分の調整: 前年の所得が修正申告などで減額された場合、すでに納付済みの住民税が過払いとなることがあります。この場合、市区町村は、過払い分を翌年度の住民税から差し引く形で調整を行います。例えば、修正申告の結果、昨年分の所得が減額され、住民税が1万円過払いになった場合、翌年度の住民税が1万円減額されるといった具合です。

  • 税額控除の適用: 所得税と同様に、住民税にも様々な税額控除が適用されます。例えば、住宅ローン控除や寄付金控除などが代表的です。これらの控除を適用することで、住民税の納税額が減額されることがあります。特に、住宅ローン控除は、所得税で控除しきれなかった分を住民税から控除できるケースがあり、大きな減額につながる可能性があります。

2. 住民税が調整される具体的なケース

上記を踏まえ、住民税が調整される可能性のある具体的なケースをいくつかご紹介します。

  • 修正申告を行った場合: 所得を過大に申告していた場合など、修正申告を行った結果、前年の所得が減額された場合。
  • 退職所得がある場合: 退職金を受け取った場合、退職所得に対する住民税が徴収されますが、退職後に再就職しなかった場合などは、所得税と同様に住民税も還付される場合があります。
  • 年の途中で退職し、再就職しなかった場合: 年の途中で退職した場合、所得税と同様に住民税も払いすぎている可能性があります。この場合、確定申告をすることで住民税が調整されることがあります。
  • ふるさと納税を行った場合: ふるさと納税を行った場合、確定申告またはワンストップ特例制度を利用することで、寄付額に応じて所得税と住民税が控除されます。

3. 注意点:調整は自動的に行われるとは限らない

住民税の調整は、上記のようなケースに該当した場合でも、必ずしも自動的に行われるとは限りません。特に、修正申告や確定申告が必要なケースでは、自身で手続きを行う必要があります。

4. まとめ:状況によっては住民税も戻ってくる可能性がある

住民税は、基本的に還付という形で戻ってくることはありません。しかし、所得の修正や税額控除など、様々な要因によって調整される可能性は十分にあります。

「住民税は払いっぱなし」と思わずに、ご自身の状況をしっかりと確認し、調整の対象となる可能性がある場合は、市区町村の窓口や税理士に相談してみることをお勧めします。適切な手続きを行うことで、払いすぎた税金を取り戻せるかもしれません。