VisaとJCBのシェアはどちらが多い?

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日本のクレジットカード市場におけるシェアは、Visaが圧倒的な強さを見せています。イプソス株式会社の調査によると、2020年時点でのVisaのシェアは50.8%と、過半数を占めています。次いでJCBが28.0%、Mastercardが17.8%となっています。

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日本のクレジットカード市場、VisaとJCBの勢力図を深掘り:シェアだけでなく、戦略と未来展望

日本のクレジットカード市場において、Visaが圧倒的なシェアを誇っていることは事実です。イプソス株式会社の調査(2020年時点)によれば、Visaが50.8%と過半数を占め、JCBが28.0%、Mastercardが17.8%と続いています。しかし、この数字だけでは、VisaとJCBそれぞれの戦略や、今後の市場における両者の立ち位置を十分に理解することはできません。

なぜVisaが強いのか?グローバルスタンダードと加盟店の多さが鍵

Visaの強みは、何と言ってもそのグローバルなネットワークです。世界中のどこへ行っても使えるという安心感は、海外旅行や出張が多い日本人にとって大きな魅力となります。さらに、Visaの加盟店数は世界中で圧倒的に多く、国内においてもそのネットワークは非常に充実しています。クレジットカードを持つことの利便性を最大限に活かせる、つまり「どこでも使える」という点が、多くの消費者にVisaを選択させる理由の一つでしょう。

JCBの強み:国内に根ざしたサービスとブランドイメージ

一方、JCBは日本発の国際ブランドであり、国内に根ざしたサービス展開に力を入れています。「おもてなし」の精神を体現した手厚い顧客サポートや、日本独自のニーズに合わせたキャンペーン、そして日本らしいデザインのカードなどが、国内ユーザーから高い支持を得ています。また、「日本ブランド」としての信頼感も、JCBの強みと言えるでしょう。特に、特定の層(例えば、国内旅行を頻繁にする人や、日本の文化を大切にする人)に対しては、VisaよりもJCBの方が魅力的に映ることもあります。

シェアだけでは見えない、戦略と未来展望

重要なのは、シェアの数字だけにとらわれず、それぞれのブランドがどのような戦略で市場にアプローチしているか、そして今後の市場動向をどのように見据えているか、という点です。

  • Visa: グローバルネットワークの強化に加え、キャッシュレス決済の推進、FinTech企業との連携などを通じて、さらなるシェア拡大を目指しています。特に、非接触決済(Visaタッチ決済)の普及に力を入れており、利便性の向上とセキュリティの強化を両立させることで、消費者の支持を集めています。

  • JCB: 国内における強みを活かしつつ、グローバル展開も積極的に進めています。アジア地域を中心に加盟店網を拡大し、海外でもJCBカードが使いやすくなるよう努めています。また、東京オリンピック・パラリンピックのスポンサーを務めるなど、日本を代表するブランドとしてのイメージを確立することで、国内外での認知度向上を図っています。

キャッシュレス化の加速と、多様化する決済手段

近年、政府主導のキャッシュレス化推進キャンペーンなどにより、クレジットカード市場は大きく変化しています。PayPayやLINE PayなどのQRコード決済、交通系ICカードなど、多様な決済手段が登場し、競争は激化しています。

このような状況下で、VisaとJCBはそれぞれ、自社の強みを活かしながら、新たな技術やサービスを取り入れ、顧客ニーズの変化に対応していく必要があります。シェアの奪い合いだけでなく、顧客体験の向上、セキュリティ対策の強化、そして新たな価値の創造が、今後のクレジットカード市場を左右する鍵となるでしょう。

結論

Visaが日本のクレジットカード市場で大きなシェアを占めているのは事実ですが、JCBも独自の強みを活かし、国内市場で確固たる地位を築いています。両者は、それぞれ異なる戦略で、変化の激しい市場に対応しようとしています。今後の市場動向を見据え、どのような戦略を打ち出し、顧客ニーズを掴むことができるのか、注目していきたいところです。