「Still」の訳し方は?

17 ビュー
英語のstillは文脈によって訳語が大きく変わる多義語です。 「まだ」 (時間)、 「さらに」 (程度)、 「それでも」 (譲歩)、 「静かな」 (状態)、そして「静寂」 (名詞)といった幅広い意味を持ちます。 正確な翻訳には、stillが文中でどのような役割を果たしているかを正確に判断することが不可欠です。
コメント 0 好き

「Still」の訳し方は、文脈に大きく依存する多義語です。日本語で正確に訳すためには、その文脈における「Still」の役割を的確に捉えることが不可欠です。単に「まだ」や「静かな」と訳すだけでは、英文全体のニュアンスや意図を捉えきれない場合が多いでしょう。

「Still」は、時間、程度、譲歩、状態、そして名詞としての静寂など、非常に多様な意味を持つため、訳語は多岐に渡ります。例えば、

  • 時間に関する「まだ」: 「I’m still waiting for you.」は「まだあなたを待っています。」と訳します。これは、行為が完了していないことを示します。この場合、「まだ」は、現在進行形や未来形と合致し、時間経過を示します。

  • 程度に関する「さらに」: 「The problem is still difficult.」は「その問題はさらに難しい。」と訳します。これは、問題の難易度が以前より増していることを示し、程度に関する比喩的な用法です。

  • 譲歩に関する「それでも」: 「He is still very young, but he is very capable.」は「彼はまだ若いが、非常に有能だ。」と訳します。これは、文頭に置かれることも多く、前後の文に矛盾がないように訳す必要があります。「それでも」は、一見矛盾する要素をつなぐ役割を果たしています。

  • 状態に関する「静かな」: 「The forest was still and peaceful.」は「森は静かで平和だった。」と訳します。これは、森の静寂な状態を表しています。

  • 名詞としての「静寂」: 「The still of the night was broken only by the sound of crickets.」は「夜間の静寂は、イナゴの鳴き声だけが破っていた。」と訳します。「still」が名詞として機能し、静寂の状態を表しています。

このように、同じ「Still」でも、文脈によって訳語が大きく変わります。単に単語を置き換えるのではなく、英文全体の構造や前後関係を理解し、適切な日本語表現を選択する必要があります。

さらに、文中の「Still」の役割を理解するために、その前後の文や、文全体の主題も考慮する必要があります。例えば、「Still」が接続詞として使われている場合は、前後関係を繋ぐ言葉として訳す必要があります。

重要なのは、ただ意味を羅列するだけでなく、文脈に即した、より自然でニュアンス豊かな日本語表現を用いることです。

例えば、以下の英文を例に見てみましょう。

「The house was still standing after the earthquake, although severely damaged. Still, the residents were grateful that their homes had survived.”

この英文では、「still」は2回出てきます。最初の「still」は「状態」を表し、「地震後も家はまだ立っていた」と訳します。2つ目の「still」は「譲歩」を表し、「それでも、住民は家々が無事だったことに感謝していた」と訳します。

この例からも分かるように、「still」を単に「まだ」や「静かな」と訳してしまうと、英文全体のニュアンスや、特に2文目での意味合いが失われてしまいます。より正確な翻訳のためには、文脈を深く理解し、様々な訳語を検討し、最も適切な表現を選ぶ必要があるのです。

さらに、微妙なニュアンスの違いも重要です。「Still」は、単に「まだ」というより、継続的な状況を示す場合もあります。例えば、「I am still learning English.」では、「まだ英語を勉強している」という意味合いだけでなく、「継続的に英語を学習し続けている」というニュアンスも含まれています。

「Still」の翻訳は、文脈の深い理解と、多様な日本語表現の活用が必要とされることをご理解ください。