電車のガタンゴトンという音は何という名前ですか?

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電車が線路のつなぎ目を通過するときに発生するガタガタという音は「ジョイント音」と呼ばれます。この音は、車輪がつなぎ目を通過する際の衝撃によって発生します。

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電車の「ガタンゴトン」:ジョイント音だけじゃない!?音の正体と鉄道ロマン

電車に乗っていると、必ずと言っていいほど耳にする「ガタンゴトン」という音。多くの人はこの音を、線路の継ぎ目を通過する際の「ジョイント音」だと認識しているでしょう。確かに、それは間違いではありません。しかし、電車の走行音は、ジョイント音だけではない、様々な要素が複雑に絡み合って生まれる、一種の「オーケストラ」なのです。

ジョイント音:古き良き時代の名残

まず、ジョイント音について詳しく見ていきましょう。線路は、一定の長さのレールを繋ぎ合わせて作られています。その継ぎ目には、温度変化によるレールの伸縮に対応するための隙間が設けられています。この隙間を車輪が通過する際に、衝撃と振動が発生し、「ガタンゴトン」という独特の音が生じるのです。

しかし、近年では、ロングレールと呼ばれる、継ぎ目の少ない線路が普及してきています。ロングレールは、文字通り長いレールを使用することで、継ぎ目の数を大幅に減らし、ジョイント音を軽減する効果があります。そのため、新しい路線や改良された路線では、ジョイント音がほとんど聞こえない場合も増えてきました。

ジョイント音だけじゃない!その他の音の正体

では、ジョイント音が少ない路線では、一体どんな音が聞こえるのでしょうか? 実は、電車が走行する際には、様々な音が発生しています。

  • モーター音: 電車を動かすためのモーターが発する音です。特に加速時には、独特のうなり音が聞こえます。最近のVVVFインバータ制御の電車では、音階のように聞こえることもあります。
  • 車輪とレールの摩擦音: 車輪がレールの上を転がる際に発生する摩擦音です。カーブを通過する際には、特に大きな音になります。
  • 空調設備音: 車内の空調設備が作動する際に発生する音です。これは、車両の種類や空調の強さによって大きく異なります。
  • ブレーキ音: 電車が減速する際に、ブレーキパッドと車輪の間で発生する摩擦音です。キーキーという高い音や、シューッという空気の抜ける音がします。
  • その他: 線路の構造や路盤の状態、走行速度、車両のメンテナンス状態など、様々な要因によって、様々な音が発生します。

これらの音が複雑に組み合わさり、電車の走行音は、単なる騒音ではなく、鉄道ファンにとっては、心地よい「音楽」として認識されることもあります。

なぜ「ガタンゴトン」はロマンを感じさせるのか

「ガタンゴトン」という音は、鉄道の歴史と深く結びついています。昔ながらの線路を走る電車の音は、旅情を掻き立て、遠い場所に連れて行ってくれるような、ノスタルジックな感情を呼び起こします。

また、規則的なリズムは、どこか安心感を与えてくれます。幼い頃から電車に乗ってきた人にとっては、子守唄のような存在かもしれません。

ロングレールの普及によって、ジョイント音が少なくなっている現代だからこそ、たまに耳にする「ガタンゴトン」という音は、より一層貴重に感じられ、鉄道ロマンを象徴する音として、人々の心に残り続けるでしょう。