料飲課の仕事内容は？

ホテルの料飲部門、その仕事は奥深く、そして創造的

ホテルの料飲部門、一口に言うと「レストランとルームサービス」ですが、その業務内容は驚くほど多岐に渡り、創造性と細やかな気配りが求められる、まさにホテルという舞台を支える重要なセクションです。既に述べられているように、予約受付や会計、顧客対応は基本ですが、それだけではありません。

レストランサービス：五感を満たす空間を創造するプロフェッショナル

レストランサービスは、お客様に食事という「体験」を提供する仕事です。単に料理を運ぶだけでなく、以下のような役割を担います。

• メニュー提案と説明： お客様の好みやアレルギーなどを考慮し、最適な料理やドリンクを提案します。メニューの知識だけでなく、食材や調理法に関する深い理解が必要です。
• テーブルセッティングと演出： 食器の配置、グラスの種類、テーブルクロスなど、細部にまでこだわり、空間全体の雰囲気を高めます。季節やイベントに合わせた装飾も行い、視覚的にも楽しんでいただけるよう工夫します。
• ワインや日本酒の提案： 料理に合うワインや日本酒を選び、その背景やストーリーを語ることで、食事の体験をより豊かにします。ソムリエ資格を持つスタッフが活躍する場でもあります。
• イベント企画： 食事をテーマにしたイベントを企画し、集客に貢献します。例えば、ワインテイスティング会、季節の食材を使った特別コース、著名なシェフを招いての料理教室など、創造的な企画力が求められます。
• 顧客管理： お客様の情報を記録し、次回の来店時に活かします。過去の来店履歴や好みを把握することで、よりパーソナルなサービスを提供し、リピーターを増やす努力をします。

ルームサービス：プライベートな空間で最高の食体験を

ルームサービスは、お客様が客室というプライベートな空間で、快適に食事を楽しめるようサポートする仕事です。

• オーダー受付と手配： 電話やタブレット端末で注文を受け付け、迅速かつ正確に料理を手配します。
• 客室へのデリバリー： 温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たく、最高の状態で客室まで届けます。
• セッティングと片付け： 客室のテーブルに丁寧に料理を並べ、食事後の食器をスムーズに片付けます。
• お客様への気配り： 客室という限られた空間でのサービスだからこそ、お客様の状況を察知し、きめ細やかな対応が求められます。例えば、体調が優れないお客様には、消化の良い食事を提案したり、必要なアメニティを提供したりします。

調整力と対応力だけではない、ホスピタリティ精神

料飲部門の仕事は、単に料理を提供するだけでなく、お客様の期待を超える「感動」を与えることが目標です。そのためには、調整力や対応力はもちろんのこと、何よりもお客様を心からおもてなしするホスピタリティ精神が不可欠です。お客様の笑顔が、何よりもやりがいとなる仕事です。

最後に

ホテルによって、料飲部門の組織体制や業務内容は異なりますが、共通して言えることは、チームワークが非常に重要であるということです。キッチンスタッフ、レストランスタッフ、ルームサービススタッフ、それぞれが連携し、協力することで、お客様に最高の食体験を提供することができます。ホテルの料飲部門は、まさにチームワークの結晶なのです。