厚生年金を40年間払ったらいくらもらえる？

厚生年金を40年間払った場合、本当にいくらもらえる？ シミュレーションと注意点

厚生年金を40年間きちんと払い続けた場合、老後の生活設計においてどれくらいの収入が見込めるのでしょうか？ インターネット上には様々な情報があふれていますが、ここでは、より具体的に、そして注意すべき点を踏まえて解説していきます。

まず、冒頭で提示されている「平均年収732万円で40年間厚生年金を納付した場合、月額約20万円（年額240万円）の年金を受給できます」という情報は、あくまで一つの目安として捉えるべきです。なぜなら、厚生年金の受給額は、個人の収入や加入期間だけでなく、以下のような様々な要素によって変動するからです。

1. 収入の変動:

40年間、常に一定の年収で働き続ける人は稀です。昇給、転職、休職、産休・育休など、様々なライフイベントによって収入は変動します。厚生年金の計算は、これらの加入期間全体の平均標準報酬月額に基づいて行われるため、年収の変動が受給額に大きく影響します。

2. 物価変動率・賃金変動率:

年金の受給額は、将来の物価や賃金の変動に応じて調整されます。これは、年金の実質的な価値を維持するための措置です。しかし、将来の物価や賃金の変動を正確に予測することは難しく、受給開始時の年金額が、将来の経済状況によって変動する可能性も考慮する必要があります。

3. 老齢基礎年金の影響:

厚生年金に加入している人は、国民年金にも加入していることになります。そのため、老齢基礎年金も合わせて受給できます。老齢基礎年金は、加入期間に応じて受給額が決まりますが、未納期間があると減額されます。40年間きちんと国民年金保険料を納付していれば満額受給できますが、そうでない場合は、厚生年金と合わせた受給額も減ることになります。

4. 加給年金・振替加算:

扶養している配偶者や子供がいる場合、加給年金が加算されることがあります。また、配偶者が一定の条件を満たす場合、振替加算が加算されることもあります。これらの加算は、受給額を大きく左右する可能性があるため、自身の状況を確認することが重要です。

より正確な年金額を把握するために:

より正確な年金額を把握するためには、以下の方法を検討することをおすすめします。

• 日本年金機構の「ねんきんネット」を利用する: 自身の年金加入記録や、将来の年金見込額をシミュレーションすることができます。
• 年金事務所に相談する: 専門家のアドバイスを受けることで、個別の状況に合わせた年金計画を立てることができます。
• FP（ファイナンシャルプランナー）に相談する: 年金だけでなく、老後の生活設計全般についてアドバイスを受けることができます。

結論:

厚生年金を40年間払い続けた場合、ある程度の年金を受給できることは確かですが、受給額は個人の状況によって大きく異なります。安易に「月額20万円」という数字を鵜呑みにするのではなく、自身の年金加入記録や将来のライフプランに基づいて、より具体的な年金計画を立てることが重要です。そして、年金だけに頼るのではなく、貯蓄や投資など、他の収入源も確保することを検討しましょう。