軽傷事故の点数は？

軽傷事故の点数：知っておくべき複雑な仕組みと注意点

交通事故を起こしてしまった場合、たとえ軽傷事故であっても点数が加算される可能性があります。しかし、その点数計算は一律ではなく、事故の状況や加害者の責任の程度によって大きく変動するため、非常に複雑です。

インターネット上では、「軽傷事故＝〇点」といった単純な情報が出回っていることもありますが、これは誤解を招く可能性があります。正確な情報を理解し、適切な対応を取るためには、以下の点を理解しておくことが重要です。

軽傷事故における点数の構成要素:

軽傷事故の点数は、主に以下の要素によって構成されます。

1. 基礎点数（安全運転義務違反）： これは、安全運転を怠ったことに対する点数であり、通常2点です。前方不注意、速度超過、車間距離不保持などが該当します。

2. 付加点数（人身事故）： これは、事故によって相手に怪我をさせてしまったことに対する点数です。怪我の程度（軽傷・重傷）や、加害者の責任の重さによって大きく変動します。

   • 軽傷の場合： 6点（責任が重い場合）または3点（責任が軽い場合）となることが多いです。
   • 重傷の場合： 怪我の程度によって、更に高い点数が加算されます。

点数が変動する要因:

付加点数は、事故の状況によって細かく判断されます。以下のような要因が、点数の増減に影響を与えます。

• 過失割合: 事故当事者双方の過失割合によって、加害者の責任の重さが判断されます。過失割合が高いほど、点数も高くなる傾向があります。
• 事故の原因: 事故の原因が、故意に近い悪質なものであったり、危険運転致死傷罪に該当するようなものであったりする場合は、より重い処分が下される可能性があります。
• 誠意ある対応: 事故後の被害者への対応（謝罪、見舞いなど）が、点数に直接影響を与えることはありませんが、示談交渉を円滑に進め、被害者の感情を和らげる上で重要です。

具体的な事例:

記事冒頭にある追突事故の例を参考に、いくつか別の事例を考えてみましょう。

• 事例１：信号無視による軽傷事故: 赤信号を見落として交差点に進入し、歩行者に軽傷を負わせた場合、安全運転義務違反2点に加え、信号無視違反2点、そして付加点数6点（責任が重い場合）が加算され、合計10点となる可能性があります。
• 事例２：わき見運転による軽傷事故: 運転中にスマートフォンを操作していて、自転車に衝突し軽傷を負わせた場合、安全運転義務違反2点に加え、携帯電話使用等違反（保持）1点、そして付加点数6点（責任が重い場合）が加算され、合計9点となる可能性があります。

注意点:

• 正確な点数は警察の判断: 最終的な点数は、警察が事故状況を詳細に調査し、加害者の責任の程度を判断した上で決定されます。
• 弁護士への相談: 事故の状況や過失割合について納得がいかない場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士は、法的観点から適切なアドバイスや交渉のサポートをしてくれます。
• 保険会社との連携: 加入している自動車保険の保険会社に事故の状況を報告し、適切なアドバイスやサポートを受けるようにしましょう。

軽傷事故の点数は、様々な要因によって変動するため、一概に判断することはできません。事故を起こしてしまった場合は、冷静に対応し、警察や弁護士、保険会社などに相談しながら、適切な対応を取ることが重要です。