通院に使ったタクシー代は請求できますか？

通院タクシー代、本当に請求できる？ 申請から支払いまでの道のりと注意点

「病院へ行くのにタクシーを利用したけど、その費用は戻ってくるの？」

怪我や病気で通院が必要になった時、公共交通機関の利用が困難な場合、タクシーを利用せざるを得ない状況は少なくありません。しかし、タクシー代は高額になることも多く、その費用をどうすれば賄えるのか、頭を悩ませる方もいるでしょう。 結論から言うと、タクシー代は必ずしも医療保険で全額カバーされるわけではありません。 本記事では、通院時のタクシー代請求に関する手続きや注意点、そして請求が認められるケースと認められないケースを詳しく解説します。

まず、重要なのは「必要性」です。 保険会社は、タクシー利用の必要性を厳格に審査します。 単に「便利だから」という理由では認められません。 認められるケースとしては、以下の様な状況が挙げられます。

• 重症の怪我や病気で、公共交通機関の利用が困難な場合: 骨折や脱臼、激しい吐き気や下痢、車椅子利用など、公共交通機関を利用することが身体的に難しい状態であることが必要です。 医師の診断書や証明書によって、その状態が明確に示される必要があります。

• 公共交通機関のアクセスが極めて困難な地域に住んでいる場合: 最寄りのバス停や駅までが非常に遠く、高齢者や身体障害者にとって徒歩での移動が不可能な場合などが考えられます。 この場合も、地域の状況を説明する資料や地図が必要となる可能性があります。

• 夜間や早朝など、公共交通機関が利用できない時間帯に通院する場合: 深夜や早朝の通院は、公共交通機関の利用が難しいのが一般的です。 しかし、タクシー代が認められるには、医師の指示による通院であること、やむを得ない事情があることを証明する必要があります。

請求をスムーズに進めるためには、以下の点を意識しましょう。

• 事前に保険会社に確認する: タクシーを利用する前に、必ず保険会社に利用の可否と必要な手続きについて確認しましょう。 事後になってから請求しても、認められない可能性があります。 電話やメールで問い合わせを行い、担当者から明確な回答を得ることが重要です。

• 領収書を必ず保管する: タクシー利用の領収書は、請求手続きに必須です。 紛失しないよう、大切に保管しましょう。 領収書には、日付、乗車場所、降車場所、金額などが明記されていることを確認してください。 複数回に渡って通院する場合、全ての領収書を保管する必要があります。

• 医師の診断書・証明書を準備する: タクシー利用の必要性を証明するために、医師の診断書や証明書が必要となるケースが多いです。 診断書には、患者の状態、公共交通機関利用の困難性などが明確に記載されている必要があります。 必要書類については、保険会社に事前に確認しておきましょう。

• 可能な限り公共交通機関を利用する: タクシー利用は、あくまでもやむを得ない場合のみに限定すべきです。 可能な限り、公共交通機関を利用し、タクシー利用を最小限に抑える努力が必要です。

通院タクシー代の請求は、決して簡単な手続きではありません。 しかし、適切な手続きを踏むことで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。 不明な点は、保険会社や医療機関に積極的に問い合わせ、必要な書類をきちんと準備することで、スムーズな請求手続きを進めましょう。 自己判断せず、専門家の意見を参考に、賢く保険制度を活用しましょう。